イタリア最高級スパークリングワイン
フランチャコルタ通販専門店 メローネ

フランチャコルタは、北イタリア・ロンバルディア州東部のフランチャコルタ地域内で、瓶内二次発酵方式で造られるスパークリングワインです。

イタリアのスパークリングワインでは、最上位の格付けである統制保証原産地呼称(D.O.C.G: Denominazione Origine Controllata e Garantita)の認定を初めて受けました。

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とくやま ゆきよし
こんにちは!「メローネ」代表のとくやまです!

イタリアには、奇跡を起こしたと言われるワインがあります。
そのワインは、フランチャコルタと言うスパークリングワインです。

と言われても、ピンとこないかもしれません。

また、イタリア初認定が奇跡かもしれませんが、それも分からないし、誰も正しい事を教えてくれないんでしょ?

フランチャコルタはどれを選べば良いのか分からない?

今までのスパークリングワインも普通だったしフランチャコルタもどうせ普通なんだろうね・・・

フランチャコルタとは

そうお考えかもしれません。

そんなスパークリングワインのイメージをおもいっきり超えて見せます!

こちらでは、フランチャコルタの基礎知識からフランチャコルタの選び方から、おすすめのフランチャコルタまでご紹介させて頂きます。

それでは、フランチャコルタと言うワインとは?、そして「フランチャコルタの奇跡」と語られるようになった経緯とフランチャコルタの賢い選び方をご紹介していきましょう!

フランチャコルタとは、ワインの分類の中では「スパークリングワインの1つ」です。

ただ、スパークリングワインと言えば・・・

フランスシャンパーニュ
クレマン
スペインカヴァ(カバ)
イタリアプロセッコ
ランブルスコ
オルトレ・ポー・パヴェーゼ
トレント
アスティ スプマンテ
ドイツゼクト

など様々なスパークリングワインや、様々な製法があり、「よくわからない」と思っている方もおられるかと思います。

また、「スパークリングワインは初めの1杯」「スパークリングワインの味わいの違いが分からない」...そんな風に思っている方が大半ではないでしょうか。

あるいは、食事と合わせてスパークリングワインを飲んだ時、1杯目はいいけれど、甘いからすっきりした感じがしない。

泡が粗いので、飽きてきてしまう。料理との組み合わせがあっていない感じがして、口の中がもたついてしまう。酸味と果実味やふくよかさのバランスが取れていない。など...

料理とワインの両方を楽しみたいのに、ワインも料理も進まなかったり、スパークリングワインに不満や物足りなさを感じている方もいらっしゃると思います。

だからこそ、この「フランチャコルタ」「Franciacorta」の事は是非知って頂きたいと思います。

そこで、こちらの「フランチャコルタとはどういうワイン?」では、フランチャコルタの様々な事についてお伝えしたいと思います。できるだけわかりやすく解説しますので、是非ご参考にしてください。

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もくじ

はじめに:フランチャコルタとはどういうワイン?What’s Franciacorta ?

フランチャコルタ(Franciacorta)は、スパークリングワインの1つです。

北イタリア・ロンバルディア州東部のフランチャコルタ地域内で、瓶内2次発酵方式で造られるスパークリングワインです。

厳しい規定を守って造られる品質の良さは、「フランチャコルタの奇跡」と呼ばれるほど、イタリアでは高級ワインの名声を得て高く評価されています。

フランチャコルタ ラベル

フランチャコルタのボトルに表示されたラベル(エチケット)には、「フランチャコルタ(FRANCIACORTA)」という呼称のみが表示されています。

これは「フランチャコルタ(Franciacorta)」という一言だけで、原産地の領域、生産方式、ワイン名を示しています。まとめると以下の通りです。

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「フランチャコルタ」には3つの意味があります。
  1. フランチャコルタを生産している地域 (La Franciacorta  – ラ フランチャコルタ)
  2. フランチャコルタというワインそのものの名前 (il Franciacorta – イル フランチャコルタ)
  3. フランチャコルタというワインの製造方法 (フランチャコルタ協会による規定に基づく)

「フランチャコルタ」地域には、現在約120軒の「フランチャコルタ」の作り手(カンティーナ/ワイナリー)があります。因みにシャンパーニュの作り手は約5,000軒です。

ヨーロッパ全体において、そのワインの名前だけで原産地、製造方法、ワイン名を特定できるワインは、10箇所の原産地呼称だけです。

その中でも瓶内2次発酵方式で造られるのは、現在カヴァ、シャンパーニュ、フランチャコルタのみです。

フランチャコルタ ワイナリー コルテ フジア

日本では、「シャンパン」と言う呼び名があまりにも有名なために、「シャンパン(シャンパーニュ)」が泡の出るワイン(スパークリングワイン)の総称のように使われることが多いです(残念ながらシャンパン=スパークリングワインと理解している人が多い)。

しかし、フランスのシャンパーニュ地域で決められた製造規定の下に造られたスパークリングワイン以外は、「シャンパン(シャンパーニュ)」と名乗ることが許されていないのです。

これと同様にフランチャコルタ地域という限られた生産地域内で、多くの条件を満たして初めて「フランチャコルタ」という名称をラベル(エチケット)に表示できます。

フランチャコルタの生産地

なお、イタリアで造られるスパークリングワインは総称として「スプマンテ」と呼ばれますが、イタリアのフランチャコルタ地域で、決められた規定のもとに造られたスパークリングワイン以外は、「フランチャコルタ」と名乗ることができません

ワイン好きの大多数の方が「シャンパーニュ」と聞くと、自然とフランスの「最上級のスパークリングワイン」を想像されます。

フランチャコルタ生産者協会も同様に「フランチャコルタ」と聞くと、無意識にイタリアの「最上級のスパークリングワイン」と想像して頂けるように活動されています。

ちなみに、フランチャコルタの他に赤・白のスティルワインも醸造しているワイナリーも多数あります。

フランチャコルタ地域で作られるスティルワインは、“フランチャコルタの白”、“フランチャコルタの赤”では無く、「クルテフランカ Curtefranca 」という別の名称で統制原産地呼称ワイン(D.O.C)認定のワインとなります。

クルテフランカDOC

また、同じ領域内では、「セビーノ Sebino」という赤・白の地域特性表示ワイン(I.G.T)やシンプルなテーブルワインが作られています。

これからフランチャコルタの基礎知識をお伝えしていきます。以下の7つを押さえておいてください。

それでは順番に解説していきます。

セビーノIGT

1. フランチャコルタというワインの産地

フランチャコルタというワイン産地は、イタリア北部・ロンバルディア州の州都ミラノからほど近い東部のブレーシャ県、フランチャコルタ地域一帯のことをさします。その地域で高品質な”瓶内二次発酵方式のスパークリングワイン”が造られています。

車でも電車でも約1時間半ほどなので、ミラノから日帰りでワイナリー訪問も可能です。

フランチャコルタの地域は、アルプス(プレ・アルプス)山脈の南側に位置し、コモ湖とガルダ湖の間にあるイゼオ湖の南側に広がる地域をさします。

フランチャコルタ 行き方

原産地呼称としてのフランチャコルタの領域の北の境界は、イゼオ湖の南岸で、南の境界は、オルファノ山です。
東西約20km 南北約10km の区域内約3,000ヘクタールがフランチャコルタDOCGの領域になります。

イゼオ湖は、南東側がフランチャコルタ地域を含むブレーシャ県。

反対の北西側は、ベルガモ県に属します。イゼオ湖周辺の街の中でもひときわ人気が高いイゼオ。熱い夏は避暑地として、ヨーロッパ中からバカンスなどに訪れる観光客も多い街です。

写真:オルファノ山からブレーシャ方面を望む  -メローネ/F.T.LLC-

イゼオ湖は、南東側がフランチャコルタ地域を含むブレーシャ県。反対の北西側は、ベルガモ県に属します。イゼオ湖周辺の街の中でもひときわ人気が高いイゼオ。熱い夏は避暑地として、ヨーロッパ中からバカンスなどに訪れる観光客も多い街です。

  • フランチャコルタというワイン|イゼオの街

 ミラノからロミオとジュリエットの街ヴェローナを経由訪問して、ベネツィアまでバスや電車移動という良く組まれる日本の旅行会社が主催するイタリアの観光ツアーがあります。実はその際、バスや電車で必ずフランチャコルタ地域を通過しています。高速道路の出口名や電車の駅名は、「Rovato(ロヴァート)」でミラノ-ヴェネツィア間を走る線路より北側がフランチャコルタ地域です。

フランチャコルタ 地図

高速道路では、”Siete in Franciacorta” あなた達は今、フランチャコルタに居ます。と書かれた看板を目にするでしょう。

フランチャコルタDOCG 領域

さて、イゼオ湖は、北側のカモニカ渓谷という渓谷から押し出した氷河の浸食作用によって残された湖で、その南側にも氷河の痕跡が残り、その後は様々な土壌が積み重なってできた氷堆積土壌です。

やせた土地な為、水はけが良く、農作物の栽培は不向きな土地でした。現在でもフランチャコルタ地域で収穫時期に見られる作物は、ブドウか北イタリアの付け合わせの定番・ポレンタの原料であるトウモロコシがほとんどです。

古代の人々にとっては、作物が栽培しにくい土地で、大変苦労したそうですが、現代のブドウ栽培をしている人達にとっては、最上の土壌とその恩恵を受け取っています。

フランチャコルタ イゼオ湖

土壌としては、1日を通してプレ・アルプス山脈からイゼオ湖北側に擁するカモニカ渓谷を通ってフランチャコルタ地域に冷涼な空気や風が入り込むので風通しが良く、しかも日中はイゼオ湖面の水温による温暖な気温が保たれます。

この日中と、朝夕の寒暖の差がぶどう栽培に適しているのです。

あわせてフランチャコルタ地域は、氷河の浸食作用が残した起伏が豊かな丘陵地帯になっており、日照条件の良さ、氷堆石土壌というブドウ栽培に最適な条件が重なっていた事がフランチャコルタ地域内で収穫されるブドウの品質にとって極めて重要な影響と恩恵を与えています。

フランチャコルタ 土壌
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フランチャコルタ地域 産地内における土壌の特徴に関する詳細は、下記ページをご覧くださいませ。
フランチャコルタという産地 ワインの味わいを特徴づける6種類の土壌

この地域のブドウ栽培の歴史としては、16世紀からすでにワインが造られていました。

当時医師をしていたジローラモ コンフォルティ氏は、ワインに精通した存在で、ピリピリしたワインの存在を著書に残しています。

 フランチャコルタ生産者協会の現在の本部はエルブスコという街(コムーネ)にあります。エルブスコはフランチャコルタの中心地で、この街の他にもイゼオ、アドロ、コッカーリォ、 ロヴァート、パラティコ等の19の街(コムーネ)があり、各作り手により上質のフランチャコルタが製造されています。

フランチャコルタ地域の最南端に位置し、オルファノ山南麓にあるコッカーリォという街は、太古の昔は海でした。この為、コッカーリォで製造されるフランチャコルタは、ミネラル分を多く含んでおり、独特な骨太の味わいです。

フランチャコルタ地域の最西端に位置するパラティコという街は丘陵があり、西向き斜面にブドウ畑が存在しています。
そして、イゼオ湖と湖から西側を流れるオリオ川があることで冷気が緩和され、水塊による反射光の作用や西向き斜面により、温かさや日照時間にも恵まれた畑が多く存在しています。

イゼオ湖から流れるオリオ川に沿って風が吹き抜けることで、朝晩はプレ・アルプス山脈からの冷涼な風と日中の暖かい風によって日較差が出ることや、 霜の被害が抑えられるため、ブドウ栽培に非常に適しています。

このことから、パラティコでは、酸がありながらも凝縮したブドウによる果実味を楽しむフランチャコルタがひとつのスタイルとなります。

さて、現代のフランチャコルタにおける歴史は1961年から始まります。グイド ベルルッキ社のフランコ ヅィリアーニ氏が当主と仕込んだワイン約3,000本が始まりです。

その後11の生産者、ぶどう畑の総面積29ヘクタール、生産量はピノ・ディ・フランチャコルタが2.000ヘクトリットル(20万リットル)まで広がりました。

1967年にDOC、そして1995年、フランチャコルタは瓶内二次発酵方式のみで造られるイタリア・ワインとして初めてのDOCG統制保証原産地呼称の認定を受け、フランチャコルタの生産方式が認められました。

同年からスプマンテ(発泡性ワイン)という表示は使われなくなりました(フランチャコルタ=スプマンテではなく、フランチャコルタ=イタリア最上級のスパークリングワインとお考え下さい)。

現在、ラベルにはフランチャコルタの原産地呼称のみが表記され、この呼称だけで生産地の領域、生産方式、ワイン名を表します。

2.「フランチャコルタ」という名前の由来

フランチャコルタ(Franciacorta)の呼称には長い歴史があります。11世紀にこの地にクリュニー会修道士たちがこの地にやってきました。この領地は瘦せた土地の為、関税を課せられない地となり、いわゆるクルテス・フランケ関税免除の領地(ラテン語名curtes francae)と呼ばれるようになりました。

それが呼称の由来の一説となっています。

また、都市国家ブレーシァの1277年の年報の中で、“フランヅァクルタ”という地名は、オリオ川を西端、ヴァル・カモニカの渓谷とヴァル・トロンピアの渓谷を分けるラエティア・アルプスの分脈の端を東端とする地域を確認するために初めて使われています。

その後、ドージェ(国家元首)フランチェスコ・フォスカリの制定法により、1429年にフランチャコルタと呼ばれる地域境界が設定されました。

3.フランチャコルタの製造方法・工程

フランチャコルタは、フランチャコルタ協会の厳格な規定に従い、瓶内2次発酵方式(メトド・クラッシコ)で造られています。瓶内2次発酵といわれる方法は、さまざまなワイン製造方法の中でも特に手間がかかります。

フランチャコルタとしての厳しい独自の規定による製造法・工程をご説明します。

フランチャコルタは、指定された地域内でブドウが手摘みで収穫され、独自の製造規定で造られたものを指します。

フランチャコルタ ロゴマーク

 下記以外のブドウで造られたワイン、地域外、定められた製造工程以外で造られたものを「フランチャコルタ」と称することは、禁じられているので、選ぶ(呼ぶ)際に注意しましょう。

なお、フランチャコルタ地域内でも規格外(フランチャコルタと名乗れない)のスパークリングワイン(V.S.Q)も作っているワイナリーも存在します。

3-1.フランチャコルタで使用するぶどう品種

フランチャコルタで使用するぶどうは、4種類のみです。カンティーナ(ワイナリー)が選定した品種や配分によってフランチャコルタの味わいや個性を左右するので、どのようなものを使用しているかを知ることは、重要なポイントになります。

使用するブドウによって、それぞれ色や風味に特徴が出ますので、予めブドウ品種の知識があれば、好みのフランチャコルタを見つけやすくなるかも知れません。

1. シャルドネ 2.ピノ・ビアンコ 3.ピノ・ネーロ 4.エルバマッㇳ

1. シャルドネ

シャルドネは白葡萄の高級品種でフランチャコルタでは何十年も前から栽培されています。現在、総面積の約80%に相当する2,000haを占めています。

シャルドネの樹の生長力は早すぎず遅すぎず、葉は明るい緑色、丈夫で部厚い果皮に包まれ、実の粒は中ぐらいの密度、黄色みを帯びた緑色で房を形成しています。

このブドウ品種から作られたワインは、優れた質感、豊潤で香り高く複雑なアロマ、フルーティーでフローラルな鼻に抜ける香り、しっかりとしたストラクチャー、心地良い酸味が特徴です。

フランチャコルタ シャルドネ

2. ピノ・ビアンコ

ピノ・ビアンコはフランチャコルタで三番目に多く栽培されている品種です。フランス原産でピノの系統に属します。現在、総面積の約5%を占めています。

ピノ・ビアンコの樹は生長力が旺盛で、葉は濃い緑色、房の色はシャルドネほど金色の色調を帯びず、サイズも小さくて実の粒の密度が高いです。

ピノ・ビアンコは、フランチャコルタのベースワインまたクルテフランカ・ビアンコのスティルワインにも、純粋にそれだけで使われることはあまりありませんが、キュヴェに最大50%の比率でブレンドされ使用することができます。

ワインはしっかりとしたボディーで、エレガント、しっかりとした酸味が鮮やかで、焼きたてのパンの皮を思わせる香りがします。香りが開くにつれ、アーモンドっぽい香りが際立ちやすくなります。

3. ピノ・ネーロ

ピノ・ネーロはフランチャコルタで二番目に多く栽培されている品種で、総面積の約15%を占めています。

フランスのブルゴーニュ地方原産のこの品種は植樹された環境により、時には予測不可能な反応を見せる変異性を持っていますが、赤ワイン醸造にも、発泡性ワイン醸造にも素晴しい結果をもたらしてくれます。

ピノ・ネーロの樹はしっかりしていて素朴、葉は裂片状および/もしくは5つの切り込みがあり深緑色、葡萄の房は松かさ状でサイズが小さく、実の粒がびっしりと詰まっているのが特徴です。

フランチャコルタ ピノ・ネーロ

ピノ・ネーロは主にフランチャコルタのロゼ、ブランドノワール、ミッレジマートとリセルヴァに使われ、ストラクチャーがしっかりした寿命の長いワインになります。

また、ピノ・ネーロはフランチャコルタ・ロゼのキュヴェにも欠かせない構成要素となる品種で、最低35%以上の使用比率が義務付けられています。

フランチャコルタ ピノ・ネーロ

                    写真:sbardolini studio fotografico

4.エルバマッ

フランチャコルタ地域があるブレーシャ県の白ブドウの土着品種であり、長年忘れられていた品種ですが、16世紀の記録に既に存在したブドウ品種です。

シャルドネやピノ品種に比べ、土壌においての熟成が長く、収穫が約1か月遅くなります。

しっかりした酸味やフレッシュさを備えますが、これまでの各フランチャコルタのカテゴリのベースワインの味わいを損ねることなく、綺麗に調和することができ、サテン以外のカテゴリに最大10%までの使用が許されています。

現在、幾つかの生産者だけが栽培していますが、今後必ず加えないといけないと言う事では無く、今後も必要としないカンティーナも有り、エルバマッㇳ栽培に向いた土壌を有するカンティーナであったり、酸度などより高めたいフランチャコルタを生産しているカンティーナが必要となり、作り手それぞれの選択肢に委ねられています。

フランチャコルタ エルバマット

写真出典:https://rachelsigner.com/2017/09/05/for-students-of-bubbles-and-lovers-of-italy-franciacorta/erbamat/

3-2.収穫方法(Vendemmia-ヴェンデンミア)

フランチャコルタ ラベル表記

ワインにあまりなじみがない方であっても、「ヴィンテージ(ビンテージともいう。ここでは『ヴィンテージ』の表記に統一)」という表現を耳にしたことがあるかもしれません。

この「ヴィンテージ」は、よく、「貴重な」「重厚感がある」「一品物」のような感覚で理解されます。

ワインにおいては「そのワインをつくるためのブドウが収穫された年」を指す言葉になります。

写真のラベルには、「2011」との表記があり、これは2011年にブドウが収穫された年を意味しています。

なお、年代物のワインなどは、「オールド・ヴィンテージワイン」とされます。

年代物のワインというのを意味しているのですが、ワインにはそれぞれ飲み頃があるので、「古いワイン=おいしい」とまでは言い切れないところもあります。

さてこの「ヴィンテージ」ですが、赤ワインや白ワインなどのスティルワイン(発泡していないワイン)には比較的よくみられます。

ただし、ヴィンテージの表記は義務ではありません。生産者が、一定のルールは守りつつも、任意でつけることができるものです。

収穫 撮影: Federico Sbardolini

写真・動画撮影:sbardolini studio fotografico

3-3.圧搾方法(Pressatura soffice – プレッサトゥーラ ソッフィチェ)

白ブドウは、除梗や破砕といったブドウの果梗を取り除いて破砕することは無く、収穫したブドウをそのまま圧搾することが製造規定で決められています(全房圧搾)。

 また、低空気圧法圧搾機を使用し、空気圧を利用した機械(プレッサ内にある風船状の袋が膨らむ事で)ゆっくりブドウを絞ります。

 この空気圧による圧搾は、ブドウの風味や品質を損なうことなく、ブドウ本来の美味しさをそのまま搾ることができます。

 除梗や破砕により、ブドウ果汁と果皮が触れる時間があることで酸化がすすみますが、全房圧搾では、ブドウの房を直接圧搾して果汁が得られるので、フレッシュさが保たれます。

フランチャコルタに使用するブドウ果汁は、1番搾りの物【モスト フィオーレ】に限られます(シャンパーニュは、2番搾りまで)

搾汁率も多くの瓶内二次発酵のスパークリングワインに比べて、厳格な規定で決められています。

フランチャコルタ 全房圧搾

3-4.第1次発酵(Prima fermentazione – プリマ フェルメンタツィオーネ)

収穫された畑ごと、ブドウ品種ごとに分けて、通常約17度ほどで温度管理されたステンレスタンクで第1次発酵を行います。

発酵期間は約7ヶ月~8ヶ月程度です。この前に、重力により分けられた異物をタンク上部から違うタンク移して、寄り澄んだブドウジュースにしています。

第1次発酵を収穫量の数パーセントを樽熟成や100%アンフォラ熟成させるカンティーナもあります。

フランチャコルタ ワイナリー

3-5.調合(Assembraggio – アッセンブラッジョ)

第1次発酵した原酒のワインを調合します。※ミッレジマート(ヴィンテージのフランチャコルタ)はこの過程は実施しません。

3-6.瓶詰め(Tiraggio – ティラッジョ)

ワインを瓶詰めするときに、新たに酵母と蔗糖を加えます。

現在、蔗糖の部分をブドウ自体からの糖分(モスト)を加える作り方も実践されているワイナリーがあります(Metodo Solo Uva:ソロ ウーヴァ方式)。

酵母も野生酵母を使うワイナリーもありますし、セレクション酵母や培養酵母を使うワイナリーがあります。セレクション酵母や培養酵母を使用しているワイナリーもそれぞれ土壌や育ているブドウ品種によって、厳選した酵母を使用しています。

酵母の違いは、ワインの味わいに与える影響が多少ありますが、一番大事なのは、ブドウであり土壌、そして醸造技術です。

複数のワイナリーが同じ会社から購入したセレクション酵母を使用しても作り手が変われば、もちろん味わいや風味も変わってきます。

同じ会社から購入した酵母を使っているので、どのワイナリーも同じ味わいに仕上がるという事は全くありません。パンのように様々な粉の品質や水分量、発酵時間、職人の技術によって味わいが大きく変わります。野生酵母も使いこなせないと美味しいパンや消化しやすいパン、風味の良いパンが焼きあがらない事と同じです。

3-7.瓶内2次発酵(Presa di spuma – プレーザ ディ スプーマ)

瓶の中で酵母が糖分を食べ、さらに発酵が起こるため、炭酸ガス(CO2)が発生します。

その炭酸ガスが瓶内に封じ込められ、ワインに溶け込むことにより、発泡酒特有の泡の成分になります。

この際、発酵の働きを終えた酵母が澱(おり)となって、瓶の腹部に溜まっていきます。

フランチャコルタ 澱の沈殿

なお、フランチャコルタは、ボトルが平衡に保たれた状態で最低18ヶ月熟成させることが規定で決められています。

 最低瓶内熟成期間収穫量(1haあたり)搾汁率生産者数
フランチャコルタ18ヶ月10t65%約120軒
シャンパーニュ15ヶ月12t66%5,000軒弱
カヴァ9ヶ月14t65% 

シャンパーニュの最低15カ月やカヴァの最低9か月に比べ、熟成期間の違いにおいても非常に厳しい規定になっています。長期間熟成させることによって、きめ細やかな泡になり、長く寝かせることで味わい深くなります。

更に搾汁率や1ヘクタールにおける収穫量においても、厳しい規定を保っています。ですので、ボトル1本内に込められるブドウジュースは、フランチャコルタ地域が育んだ良質なブドウだけが詰まりに詰まっています。

因みに同じイタリアのプロセッコは、1ヘクタールから約20,000本(750ml)生産、早くて翌年出荷されていますが、フランチャコルタは、1ヘクタールから最大8,666本(750ml)しか生産する事ができなく、出荷まで約3年かかり、それは規定として決まっています。

写真:sbardolini studio fotografico

この平衡状態で最低18カ月、リセルヴァは最低60カ月(5年)熟成されたのち出荷出来ます。
NVのスタンダードブリュットでも30カ月熟成させてから出荷されるワイナリーもあります。

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36ヶ月熟成のフランチャコルタ ブリュット
フランチャコルタ ブリュット NV / サン クリストーフォロ

3-8. 倒立

澱下げ台(プピートル)に45度の角度でボトルの口を下に向けて差し込み、並べます。

フランチャコルタ ルミアージュ

写真:sbardolini studio fotografico

3-9.動瓶

動瓶工程は、瓶内2次発酵の最終段階で、酵母の澱(おり)を瓶の口の方に集めるために、澱下げ台(プピートル)に差し込まれた瓶を毎日手作業で8分の1回転させ、瓶の角度も高くしていきます。職人の手で時間と手間をかけての作業になります。

フランチャコルタ 動瓶作業

写真:sbardolini studio fotografico

このプピートルによる動瓶作業は、全てのカンティーナで行われているという事ではありません。

近年、カンティーナの大小に関わらず、ステンレス製の大きな正方形のカゴを全自動で回す事が出来る機械(Giro pallet ジーロパレット)で数時間かけて角度を高くしつつ、回転させながら動瓶作業を行うワイナリーも多くあります。

フランチャコルタ 瓶内二次発酵

3-10.澱抜き(Sboccatura – デゴルジュマン・スボッカトゥーラ)

瓶口を真下にした垂直状態で溜まった澱を特別な機会で凍らせて、瓶を上向きに直し、栓(王冠)を外して気圧により澱を抜きます。

フランチャコルタ 澱抜き

フランチャコルタ 澱抜き

3-11.甘味づけ(Dosaggio – ドザージュ・ドザッジョ)

ワインにリキュール(各カンティーナの白ワイン<リザーブワインを加える場合もあり>と糖分で作った、言わばシロップ)を加えて、味わいや残糖量を調整します。

フランチャコルタは、ブドウ本来の果実による糖分がもともと豊富なため、ドザージュは最低限か、ドザージュをしない(容量を補う為、同じ品種・同じ年の白ワインのみを足す)フランチャコルタ(ドザージュゼロ)も多くあります。

ドザージュの糖分が蔗糖でも無く、ブドウのクリスタルモストを糖分としてワインと合わせ、ドザージュするカンティーナもあります。

全てのワインのカテゴリ(ブリュット、サテン、ロゼ、ミッレジマート)においてドザージュしない、同じ白ワインを足すだけのカンティーナもあります。

澱抜き・ドザージュ工程 撮影: Federico Sbardolini

3-12.最終工程

コルク詰めをして、針金を巻きつけて固定します。その後、瓶にラベルを貼ります。コルク側には、フランチャコルタ協会が交付した登録番号を貼付し、フランチャコルタであることを証明しています。

3-13.洗練熟成 (Affinamento in bottiglia – アッフィナメント イン ボッティリァ)

この後、さらに重要な洗練熟成の工程があります。フランチャコルタが箱詰めされた後、各生産者の倉庫からすぐ出荷されるわけではありません。

温度・湿度がコントロールされた倉庫で数か月から数年、出荷する前にもう一度熟成します。

なぜならば、フランチャコルタの澱抜き(デゴルジュマン・スボッカトゥーラ)と甘味付け(ドザージュ)の作業(liqueur de spedision)は、例えば、フランチャコルタの基本となるブリュットのカテゴリーで義務付けられている最低瓶内熟成期間・18ヶ月(1年半)もの間、ゆっくりと寝かされていたワインを突然飛び起こさせるようなものだからです。

フランチャコルタ 澱抜き

ワイナリーによって期間が違いますが、澱抜き作業を終えたフランチャコルタは、洗練熟成をされてからようやく出荷されます。

澱抜きしてからの経過期間を確認する方法は、ボトル後部の裏ラベルをご覧ください。

生産者によって記載内容が若干異なっておりますが、ボトル後部の裏ラベルには、澱抜き年のみ、季節と澱抜き年を明記、もしくは、月と澱抜き年を明記、あるいは、日・月・澱抜き年の全てを明記しているワイナリーがあります。

また、瓶詰めした年や月も明記している生産者もいます。

この澱抜き年月日は、澱抜きしてから洗練熟成の期間を確認するだけでなく、正確な瓶内熟成期間をさかのぼれる為にも非常に重要です。

フランチャコルタ 洗練熟成

3-14.検査・出荷

最終検査のあと、フランチャコルタとして出荷されます。

こうして、厳しい規定のもと時間と手間をかけてフランチャコルタというワインができあがります。

4.フランチャコルタの種類・カテゴリー

フランチャコルタには、ブリュット・サテン・ロゼ・ミッレジマート・リセルヴァの5種類のカテゴリーがあります。

ドザージュについて

フランチャコルタの様々な種類は、デゴルジュマン(澱抜き)が済んだ後、ドザージュされるリキュールの量が異なることにより、それぞれが持つ特徴が決められます。オリジナリティーと特徴豊かなパーソナリティーが映えます。

  • ノン・ドサート(1ℓ中3gまでの残糖量、ワインの自然な残留)- 一番ドライなフランチャコルタです。
  • エクストラ・ブリュット(1ℓ中6gまでの残糖量) –  非常にドライです。
  • ブリュット(1ℓ中12g以下の残糖量) – ドライ、しかしエクストラ・ブリュットよりも少し柔らか。フランチャコルタの種類の中で最も汎用的なタイプです。
  • エクストラ・ドライ(1ℓ中12〜17gの糖分) – 典型的なブリュットよりわずかに高い用量のドザージュで柔らか。様々な食べ物とマリアージュします。
  • セックまたはドライ(1ℓ中17〜32gの糖分) – レスドライで少し甘口。
  • デミ-セック(1ℓ中33〜50gの糖分) – 比較的多めのドザージュにより甘口。ドルチェによく合います。

4-1.フランチャコルタ ブリュット

フランチャコルタ ブリュットは、ワイナリーのベースとなるワインカテゴリーです。

フランチャコルタ ブリュット

■使用品種
シャルドネおよび/もしくはピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコ、エルバマット。
50%を上限にピノ・ビアンコ、10%を上限にエルバマットの使用が認められています。

■特 徴
瓶内二次発酵と酵母の澱を入れたままの熟成期間は最低18ヶ月。収穫期から数えて、醸造と熟成期間は最低25ヶ月に及びます。
ボトルの内圧は平均5気圧前後。

■テイスティング・ノート
金色の反射を見せる麦わら色がかった黄色。泡立ちはきめ細かく持続性があります。

瓶内二次発酵特有のブーケにはパンの皮、酵母の香りに、デリケートな柑橘類やアーモンド、ヘーゼルナッツ、干しイチジクのような木の実やドライフルーツの香りが華を添えます。
ミネラルの風味、爽やかな酸味、洗練された上品さと調和の良さが特徴です。

■ドザージュのタイプ
パ・ドゼ、エキストラ・ブリュット、ブリュット、エキストラ・ドライ、セックもしくはドライ、デミセック。

4-2.フランチャコルタ サテン

フランチャコルタには、世界で唯一称することができる「サテン」というカテゴリーがあります。「サテン」というカテゴリーがあることを覚えておいてください。

白ブドウ(シャルドネ、ピノビアンコ)だけで造るブラン・ド・ブラン、やさしい味わいです。シャルドネ100%で作るカンティーナがほとんどです。

フランチャコルタは、通常は5気圧以上のものが多いですが、サテンのガス圧は5気圧以下で作る規定があり、気圧が低くなる分、口あたりがとてもクリーミーでなめらか。1995年に商標登録されています。

■使用品種
シャルドネ(主な品種)および、50%を上限としてピノ・ビアンコの使用も認められています。

■特 徴
厳選されたベースワインのブレンドと5気圧以下の内圧による滑らかな口当たり。ブリュットのタイプ(ドザージュの量)のみで造られます。

■テイスティング・ノート
極めて細かく持続性のある泡立ちはクリーミーと表現したいほど繊細です。麦わら色がかった黄色に薄緑色も交ざる深みのある色。

完熟した果実の香りが変化につれてはっきりと感じられ、白い花、ドライフルーツや炒ったナッツ(アーモンドやヘーゼルナッツ)の香りが伴います。

ほどよいミネラルの味と心地よい酸味がシルクのデリケートな肌触りを思わせる滑らかな口当たりに調和します。

■ドザージュのタイプ
ブリュット

4-3.フランチャコルタ ロゼ

フランチャコルタ ロゼは、黒ブドウの皮をブドウ果汁と数時間(各ワイナリーにより違う)一緒に漬け込むことで色合いを出すセニエ – マセラシオン方式です。

シャンパーニュでは、ロゼを製造する際、赤ワインを混ぜる製法が認められていますが、フランチャコルタでは、赤ワインを混ぜる製法は認められていません。本来の自然な色合いを楽しむことができます。

フランチャコルタ ロゼ

■使用品種
シャルドネ(最大65%)、ピノ・ビアンコ(50%を上限とする)、ピノ・ネーロ(最低35%)エルバマット(最大10%)

■特 徴
ピノ・ネーロのブドウジュースを望む色調になるまで果皮を入れたまま発酵させます。

ピノ・ネーロで造ったロゼをベースワインとして、ピノ・ネーロ100%で造るか、ピノ・ネーロのロゼにシャルドネおよび/もしくはピノ・ビアンコとエルバマットのベースワインをブレンドして造ります。

■テイスティング・ノート
ピノ・ネーロの存在がこのフランチャコルタに葡萄品種特有の香りに加え、ボディと独特の活力を与えます。

■ドザージュのタイプ
パ・ドゼ、エキストラ・ブリュット、ブリュット、エキストラ・ドライ、セックもしくはドライ、ドゥミセック。

フランチャコルタ・サテン、フランチャコルタ・ロゼはより長い熟成期間を経ると、個性、複雑さ、優雅さがいっそう際立って行きます。

長期熟成するタイプはフランチャコルタ・ミッレジマートとフランチャコルタ・リセルヴァです。

4-4.フランチャコルタ ミッレジマート

“ミッレージモ”という言葉は、そのワイン全てが単一ヴィンテージ(85%以上)でできている事を意味します。

ミッレジマートは特別に品質の良いヴィンテージに造られ、マルチ・ヴィンテージ(複数のヴィンテージのブレンド)よりも長くイースト・コンタクトを行う事により、更に上のクラスのワインとなります。

収穫から少なくとも37ヶ月経たないと市場にリリースすることはできません。

シャンパーニュの“ミレジム“と言えばおわかりなるかもしれません。

■使用品種
-シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ネーロ
■特 徴
ミッレジマートは作柄の品質が特に良く、キュヴェ(収穫年度表示無しのフランチャコルタに使われるブレンド)よりも長い熟成期間を経るとワインの価値が高まる収穫年度に造られます。

収穫の時期から市場に出荷されるまでに最低37ヶ月かかります。

■テイスティング・ノート
フランチャコルタ・ミッレジマートは当該収穫年度の天候やその年の作柄の品質を鮮やかに映し出す香りや味の個性を持っています。

■ドザージュのタイプ
パ・ドゼ、エキストラ・ブリュット、ブリュット、エキストラ・ドライ。
ただし、サテン・リセルヴァはブリュットのタイプのみです。

4-5.フランチャコルタ リセルヴァ

フランチャコルタ リゼルヴァ

■使用品種
-シャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ネーロ

■特 徴
フランチャコルタ・リセルヴァは極上の品質のミッレジマートで、その香りと味わいを最大限に際立たせるために、酵母の澱を入れたまま何年間も熟成させて造ります。生産規則では最低熟成期間を5年と定めています。

つまり、フランチャコルタ・リセルヴァは収穫から市場に出荷されるまでに最低67ヶ月(5年半)かかります。

■テイスティング・ノート
瓶内で長期熟成により、深く複雑な旋律が実現しました。

■ドザージュのタイプ
パ・ドゼ、エキストラ・ブリュット、ブリュット、ただし、サテン・リセルヴァはブリュットのタイプのみです。

フランチャコルタについて動画で解説

5.フランチャコルタとシャンパーニュとの違い

最重要点は、土壌や気候、緯度の違いです。

「スパークリングワイン」とは発泡性ワインの総称のことです。もちろん、シャンパーニュやフランチャコルタもスパークリングワインに当てはまりますが、シャンパーニュやフランチャコルタとは区別されています。

フランスのシャンパーニュ地域で造られたスパークリングワイン以外は、「シャンパン(シャンパーニュ)」と名乗ることが許されていないのです。

これと同様に「フランチャコルタ」地域という限られた生産地域内で、多くの条件を満たして初めて「フランチャコルタ」という名称をラベル(エチケット)に表示できます。

なお、イタリアで造られるスパークリングワインは「スプマンテ」と呼ばれますが、イタリアのフランチャコルタ地域で、厳しい規定のもとに造られたスパークリンワイン以外は、「フランチャコルタ」と名乗ることができません。

フランチャコルタは、シャンパーニュを超える厳しい規定を義務付けているため、比較的短い年月で高い品質のワインを製造することに成功しました。

シャンパーニュを製造しているフランス・シャンパーニュ地域は、北緯49度の場所に位置。ブドウ栽培の北限である北緯50度に近い場所で、ブドウ生育期間の年間平均気温が16.5℃以下という冷涼な大陸性気候になります。

一方、アルプス山脈をはさんで南側にある、イタリア・フランチャコルタ地域は、北緯45度の場所に位置。ブドウ生育期間の年間平均気温が20℃の温暖な気候です。ロンバルディア州は大陸性気候ですが、イゼオ湖という湖があるために寒さが緩和されます。

このことから、ブドウの完熟度に差があります。

イタリア・フランチャコルタ地域は、フランス・シャンパーニュ地域より南側に位置するため、温暖な気候により、ブドウの完熟度が高く、心地よい酸味と果実味豊かな味わいになります。

澱抜き作業で目減りした分量を補うだけの白ワインを足すだけで、補糖するためのリキュール添加が無し、もしくは、果実味を損なわない最小限度のワインが多いです。

そのため、ブドウ本来の味わいを愉しむワインが多くなります。

ブドウ本来の味を素直に生かしたワインが生産できるため、補糖の甘味(糖質の差)ではなく、ブドウ自身の甘み=果実味、喜ばしい酸と、自然な味わいのすっきりとしたバランスが良いフルーティーなワインに仕上がってきます。

フランチャコルタ シャルドネ

シャンパーニュ地域は、前述の通り、冷涼な地域に位置するため、酸度が高いブドウになります。酸とのバランスをとるためにドザージュ工程でしっかりとリキュール添加をします。結果的にリッチなタイプのスタイルに仕上がります。

また、シャルドネ100%のブラン・ド・ブランもコート・デ・ブラン地区や生産者によって生産されていますが、比較的ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ主体のワインが多いのも特徴です。

フランチャコルタ地域内で栽培される80%程がシャルドネ品種で、フランチャコルタはシャルドネが主体のワインであるのが特徴です。瓶内二次発酵なので同じ製法ですが、味わいや性格は、異なるワインと考えて頂きたいです

「どちらが美味しいか」では無く、それぞれのスタイルを理解する事が重要となります。

6.フランチャコルタという料理に合うワイン

メローネ取り扱いフランチャコルタ中心になりますが、フランチャコルタ最大の特徴は、料理に合わせやすいワインという事です。

食前・乾杯用だけでなく、食事中にも楽しんで頂けます。

イタリア料理や西洋料理はもちろん、お鮨や懐石料理、天ぷら、お鍋、甲殻類など、繊細な和食にも非常に良く合います。

お好み焼きやたこ焼きでも大丈夫です。守備範囲が広くお料理の邪魔をしないフランチャコルタは、様々なお料理とあわせることで、楽しみが1つ増えると思います。

フランチャコルタ地域では、ディナーだけでなく、アペリティーヴォやランチでもフランチャコルタが良く飲まれています。

レストランでは、前菜、プリモピアット、メイン料理、ドルチェまで、それぞれのお料理に合わせたフランチャコルタをペアリングしたコース料理もあります。(Menu degustazione con il Franciacorta)

また、フランチャコルタは、和食の繊細かつ奥深い味わいに最も良いパートナーとなるワインです。
米や麺類をよく食べる事やパルジャーノチーズや生ハムなどに含まれる”旨味”を日常的に感じている事など、イタリア料理との類似点があることから、それらを多用している和食に合わせやすいので、いちどお試しください。

和食と3つの相乗効果

1. 昆布等の出汁の味に非常に相性が良いです

フランチャコルタはミネラル分が多く、心地よい酸と、豊かな果実味がだし汁の旨味にピッタリです。

2. 繊細な味を引き立てます

ドザージュ(補糖、リキュール添加)の少ないワイン(各生産者によって異なります)ですので、豆腐や湯葉、お刺身等の繊細な味の邪魔にならず、きめ細かな泡と、ほのかな塩味、苦みが食欲を刺激します。

3. 素材の良さを活かします

人工的なものが殆ど使われていない、ぶどう本来の味を生かしたワインですので、素材の良さを活かす和食との組み合わせは最高です。またあらゆる調味料(醤油、味醂等)調理法(焼く、揚げる、蒸す)にも迷わず合わせて頂けます。

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和食に良く合うフランチャコルタ
フランチャコルタ ブリュット NV / ラ・トッレ

7.フランチャコルタを美味しく飲むための保管方法・抜栓方法・温度と使用ワイングラス

フランチャコルタをおいしく飲むための工夫をお伝えします。

  • 保存方法:ワイン到着後は、直射日光の当たらない涼しいところ(13℃~15℃)、または、ワインセラーに横置きで保存してください。
  • 抜栓し、飲む日より数日前から休ませておいた方が、よりよくワインの真価がお楽しみ頂けます。
  • 温度:飲む際の適温は8~10℃前後です。冷蔵庫、または、ワインクーラーで氷と共に冷やしてお飲みください。
  • ワイングラス:ぶどうの香りがひろがるワイングラスをお勧めしています。細長いフルートグラスは、香りを楽しむのが難しくなります。エレガントに飲むためにもワイングラスを推奨しています。フランチャコルタ協会公式グラスを使って下さると香りや泡の立ち方などでもお楽しみ頂けます。
  • 抜栓方法:他のスパークリングワイン同様、開け方は、「ポン」と鳴らさないように、ゆっくり静かに抜栓してください。
  • 残ったワイン:専用のストッパーで栓をして、冷蔵庫、または、ワインセラーで保存してください。

フランチャコルタ 公式グラス

フランチャコルタ現地から直輸入をしています。グラスの脚に[F]のマークが公式グラスの証です。
現地から都度取り寄せしています。グラス数には限りがございますので、お早めにご注文ください。

価格: 3,080円(税込)

フランチャコルタの選び方とおすすめフランチャコルタ6選

フランチャコルタは比較的新しい歴史ではありますが、 厳しい製造規定により、生産者同士統制を取りながら、急激に品質を高める事に成功し、高品質なワインを生産する事が出来るようになりました。

また、フランチャコルタは、アペリティーボの時、お祝いなどの乾杯の時やお食事と共に、そして、プレゼントの4つの場面で活用できる優れたワインです。

普段、なんとなく飲んでいるスパークリングワインですが、産地や造り方を知ることでより親しみがわくと思います。

フランチャコルタの生産者は、現在約120軒ほどあります。東西約20km、南北約10kmと小さい地域ながら、生産者やカテゴリーにより味わいは異なり、年間何百万本も生産する大規模の生産者から、年間の生産量がわずか約2万本の小さな生産者まであります。

そして良く語られがちな家族経営ですが、家族経営=小規模生産者ではありません! ワイナリー経営自体は家族だけでされていても、従業員さんが沢山いらっしゃるワイナリーも多いです。

フランチャコルタの賢い選び方

で、結局フランチャコルタはどれを選べば良いのか分からない?という悩みにお応えするために、フランチャコルタの選び方についてご紹介します。まずはここでフランチャコルタの選び方を参考にしていただければと思います。

フランチャコルタには、ブリュット、ロゼ、サテン、ミッレジマート、リゼルヴァと、様々なカテゴリがあり、また生産者によって呼び名が違う各種の銘柄があります。

選ぶのにお困りの場合は、フランチャコルタ ブリュットがおすすめです。ブリュットは、フランチャコルタのなかで最もスタンダードで、生産者の顔としての役割を持ち、生産者の名刺代わりとなるカテゴリです。

フランチャコルタ ブリュットを選べば、生産者の実力が分かります。また、ブリュットは、肉・魚問わずお料理全般に合わせることができますので、お料理の相性での失敗も防ぐことができます。

おすすめフランチャコルタ6選

 私たちメローネは、フランチャコルタ地域に13年住み暮らし、身近な存在として日常的にフランチャコルタを愉しむ生活を送ってきました。

そのなかから日常的に楽しめるおすすめフランチャコルタをご紹介します。ご自分にピッタリのフランチャコルタをお選びください。

フランチャコルタ おすすめ ランキング 1位
ブレダソーレ フランチャコルタ ブリュット

人気商品だから失敗しらず。

フランチャコルタが初めての方にも安心のフランチャコルタ ブリュットをおすすめします。

作り手「ブレダソーレ」のフランチャコルタ ブリュットは、 果実味あふれるやさしく温かみのある味わいです。

フランチャコルタ地域の最西端に位置するために日照時間が一番長いことから、辛口ながらも果実味による飲みやすさで、初めての方にもおすすめです。

また、ふくよかで甘すぎず、トーストしたパンの皮のような香ばしい香り。きめ細かで持続性のある泡立ちを愉しむことができます。
[会員価格あり]

フランチャコルタ おすすめ ランキング 2位
サン クリストーフォロ フランチャコルタ ブリュット

辛口好みの方におすすめのフランチャコルタ ブリュット

辛口ですっきり爽快なうまさ。旨みを伴った苦味を感じつつも、非常に果実味豊か。シンプルでフレッシュ感を楽しむ一本です。

「サン・クリストーフォロ」はフランチャコルタの名手として、一目置かれる存在。イタリアワイン評価誌で著名な賞を軒並み受賞するなど、フランチャコルタのみならず、イタリアワイン界でもトップ生産者の1つ。 ワイン大国イタリアでもその名を認められた存在です。

辛口ですっきり爽快なうまさ。旨みを伴った苦味を感じつつも、非常に果実味豊か。シンプルでフレッシュ感を楽しむ一本です。

「サン・クリストーフォロ」はフランチャコルタの名手として、一目置かれる存在。イタリアワイン評価誌で著名な賞を軒並み受賞するなど、フランチャコルタのみならず、イタリアワイン界でもトップ生産者の1つ。 ワイン大国イタリアでもその名を認められた存在です。
[会員価格あり]

フランチャコルタ おすすめ ランキング 3位
サン クリストーフォロ フランチャコルタ ブリュット ノン・ドザート

健康志向の方に。自然派スパークリングワインとして楽しみた方におすすめのフランチャコルタです。

酸化防止剤無添加で、リキュール添加無しを意味するノン・ドザージュタイプの極めてナチュラルなフランチャコルタ。

わずかに感じる甘みは、ぶどう本来の甘み。ぶどう果汁そのままのようにゴクゴク飲めます。 育てたぶどうに絶大な自信があって成り立つ1本。

作り手は、前述のサン クリストーフォロ。
イタリアで最も権威のあるワイン評価誌の1つ『ガンベロロッソ』で最高賞のトレビッキエーリ 2025 受賞銘柄

[会員価格あり]

フランチャコルタ おすすめ ランキング 4位
ラ・トッレ フランチャコルタ ブリュット

厚みとふくよかさを内包した飲み手を選ばないフランチャコルタです。

飲み手を選ばない飽きのこないフランチャコルタです。

発酵からくるトーストしたパンやアーモンドのような香ばしい香りがほのかにあり、それらが旨味として味わえます。

素朴な味わいが和食の食材とよく合います。

[会員価格あり]

フランチャコルタ おすすめ ランキング 5位
コルテフジア フランチャコルタ ブリュット

力強さと若々しさを楽しみたい方におすすめのフランチャコルタです。

きめ細かく持続性がありながら、きりりとした勢いのある泡立ち。

カテゴリーはブリュットですが、 リキュール添加無しを意味するノン・ドザージュなため、1リットル中の糖分は僅か1gという、超辛口の味わい。焼き牡蠣、蒸し牡蠣と抜群です!

味わいの骨格はしっかりとして、まさに少年のような爽やかで活き活きさを楽しむことができます。

[会員価格あり]

フランチャコルタ おすすめ ランキング 6位
カモッシ フランチャコルタ ブリュット

やさしく繊細で上品な泡を楽しみたい方におすすめのフランチャコルタです。

包み込むような香りと柔らかな酸味が広がり、調和のとれた骨格がさわやかな後味です。

収穫したフランチャコルタと同じ上質なぶどうから作り出したモストを蔗糖の代わりに加える「メトド ソロ ウーバ」という製造技法により、全体的にやさしく上品な味わいに仕上がっています。

[会員価格あり]

フランチャコルタの選び方とおすすめフランチャコルタをご紹介しました。

フランチャコルタとの出会いは、1つの生産者・1つの銘柄だけで全てを語れるものではありません。様々なフランチャコルタを実際に試してみて、ご自身が好む味わいのフランチャコルタを是非見つけて下さい!!

必ずあなたのお好みのフランチャコルタと出会えるはずです。

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美味しいフランチャコルタをご自宅にお取り寄せ。ギフト箱でプレゼント発送もできます。
フランチャコルタ通販専門店「メローネ」公式サイト

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最初の1杯は、お店の第一印象を決めることもある大切なアイテムです。

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この記事を書いた人

とくやま ゆきよし

メローネ 代表
(一社)日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
WSET Level 3 Certified

大手IT企業に17年在籍。データセンタSEとして、企業システムの移行プロジェクトに携わる。
フランチャコルタの美味しさと魅力に触れ、ワインインポーター メローネを起業
ワインの国際輸送や保管の品質管理には、厳格な品質基準が求められる精密機器の輸送管理で得た知見を応用。現地の味わいそのままをモットーに、生きる喜びに満たされるワインをお届けしている。