イタリア最高級スパークリングワイン
フランチャコルタ通販専門店 メローネ

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とくやま
メローネのとくやまです。こんにちは!

2018年にJSAソムリエ合格後、2019年10月末にWSET Level3 資格試験をスタートしました。

WSET Level3を受験するには、提携しているスクールでの受講が必須となります。

私の場合は、アカデミー・デュ・ヴァンで受講しました。

受講初日には、下記一式がもらえます。

  • テキスト(教本)
  • 規定(Specification)
  • スタディー・ガイド
  • WSET レベル3 系統的テースティング・アプローチ:ワイン(テイスティングコメントをまとめたシート)

当初の予定では、2020年4月下旬に受験するはずでしたが、コロナ禍の影響で、8月中旬に延期され、さらに再延期で2020年12月初旬の受験となりました。

そもそもは、2018年の秋ごろ、懇意にして頂いているワインショップさんからWSETというものがあるというのを教えてもらったのがきっかけです。ソムリエ3次試験が控えていたので、そちらをまず合格して、次回に受けようと考えていました。

このような経緯があり、知識はある程度、頭に入っているという前提です。

WSET Level3は、理論試験とテイスティング試験があります。

理論試験は、第一部の多肢選択問題が50問。正解1つに対して1点。マークシート方式。

第二部の記述式問題は、4問で構成されています。配点は各質問とも25点。試験用紙の所定の欄に記入。

試験時間は2時間。

テイスティング試験は、2種類のワインのブラインドテイスティング。 

試験時間は30分。

合格するためには、理論試験とテイスティング試験の両方で、正解率55%以上を得点する必要があります。

1.WSET Level3 の勉強方法

選択問題の勉強法

選択問題と記述式問題は、同じ時間内での試験になります。記述式問題は時間がかかるので、選択問題を30分程度で済ませるようにできるかが重要です。

なので、問題文を見た瞬間、反射神経的に正しい答えをアウトプットできる訓練が必要です。 

テキストを読み進めると、文字ばっかりで眠たくなってくるので、規定(Specification)の学習要領に記載されている キーワードを覚えて、すぐアウトプットできるかを繰り返していました。

まず、規定で知識の骨組みを作り、テキストで肉付けしていくというようなイメージです。 

毎朝30分から1時間ウォーキングしながら、例えば、スタイル・品質・価格に影響を及ぼすぶどう畑における自然の要因について、全て言えるかどうか、頭の中で思い浮かべてアウトプットしてました。

生産地域で言えば、頭のなかでテキストの地図かGoogle Mapを描き、各国の地図や産地名をまず思い浮かべて、それらに紐づくキーワード(主要なブドウ品種など)が全部言えるかどうかを試していました。

講座が終われば、スタディー・ガイドにある選択問題 50問を模擬テストとして解くことをお勧めします。

自分の知識量を確かめて、弱い分野を補強しました。

理論問題の勉強法

要約すると、以下が目的です。

・世界の主要な非発泡性ワイン・発泡性ワイン・酒精強化ワインの特徴を明確に描写し、ブドウ畑、ワイナリー、法律面での重要な自然の要因、並びに、人的要因がワインのスタイル、品質、価格に及ぼしうる影響について説明する。

・ワインに関する情報とアドバイスを顧客並びにスタッフに提供する能力を備えていることを明確に示す。

規定にはそのように書かれていて、正直ややこしいです。
簡単に言えば「なぜこうなっているのか?」というものに対して、論理立てて導き出せるようになることが必要です。

まずは、栽培と醸造の部分をきちんと押さえておくことが重要でした。

栽培は、健康で熟したブドウを生産するというシンプルな目的があるから、ブドウ栽培の理想的な栽培環境や成長サイクルをアウトプットできるようにしておいて、その環境や成長サイクルの過程で障害となるものは何か、回避策・防止策はどのようにすればよいか、という形で整理していきました。

醸造は、共通する工程があるので、それらをアウトプットできるようにしておいて、各国の産地は、自然要因や使用するブドウなどに応じて、なぜこのような工程になるのか、というのを頭のなかで整理していきました。

特に各国の生産地域の特徴は、スタディー・ガイドやGoogle Mapの地図を思い浮かべながら、規定に掲載されているキーワードを押さえたうえで、自分の言葉で繰り返しアウトプットできるようにしていました。地図で生産地域が描けるようになると、気候も紐づいてくるので、例えば、最適なブドウ品種や、どの栽培方法が良いか、香りの特徴に結びついたりもしてきました。

これらも朝に川沿いをウォーキングしながら、繰り返しアウトプット作業をしていました。

テイスティング試験の勉強法

世界の主要な非発泡性ワインの重要な特徴を正確に描写し、その表現を使って、ワインの品質と飲み頃を評価することが目的です。

ワインは2種類、試験時間は30分なので、1種類10分でコメントできるように目標を立てて取り組みました。

WSETのテイスティング試験は記述式です。講座を通して、WSETでの書き方をまねることから始めました。

そして、ドライテイスティング(現物のワインがあるものと仮定して、テイスティングコメントを書く)をして、何も見ずにWSETで求められる書き方を身につけていきました。

また、有志で開催して頂いたテイスティングの勉強会を利用しました。自身のワインの品質評価にかなりのブレがありましたが、実際に議論することで、ばらつきが少なくなり、コツがつかめるようになりました。

2.コロナ禍以降のモチベーション維持について

3月末に新型コロナウィルスの影響で講座と試験実施日の延期が決定。試験日が延びたので、それまでの期間中に勉強できるぞと、内心ほっとしていました。

しかし、4月~5月になると、会社としての資金繰りを何とかせねばと、そちらの対応が中心となり、手付かずになってしまいました。

5月末には資金繰りにある程度の目途が見えてきたのと、6月に1回、7月に1回と残った講座があったので、少しずつモチベーションを上げていこうと思っていました。

講座が再開したものの、1ヶ月に1回程度と間隔が空いて、試験勉強ペースがつかめずという状態が続いていました。

それでも8月17日の本試験に向けて7月から取り組んでいたら、なんと2日前の8月15日に電話で、17日試験の中止が伝えられ、開催日未定のままの延期。

いうならば、マラソンを走っていて、ゴールが見えた最後の会場に入る直前に突然ゲートが閉められて、いつゲートが開くか分からんけど、その辺走っときというような状態に。

2回の延期で、特に2回目は試験実施2日前だったから、気持ちの立て直しが非常に難しかったです。

ようやく9月末頃に、11月か12月の試験日が決まり、12月7日を選択したら、12月3日に大阪の緊急事態宣言。直前までどうなるか分かりませんということでしたが、何とか試験は実施。

再延期になってからの勉強方法は、アウトプットに注力していました。

コロナで延期したからでけへんかった、とは絶対的に言い訳にしたくはありませんでしたが、正直、11月・12月は相当気持ちがすり減っていました。

また、30分や1時間程度とそれほど時間が取れない自分に罪悪感さえ感じたりしておりましたが、復習を兼ねての早朝ウォーキングは、気持ちのリセットには最適でした。

なので、何かしらモチベーションを維持する仕組みが必要だと思います。そして、試験が終わったらワインバーめぐりをするなど、ちょっとしたご褒美を作ったりすることも大切だと思います(ワインバーめぐりはできませんでしたが)。

WSET Level3の試験終了まで、結果的に1年以上かかったため、試験勉強のためのモチベーション維持がとにかく大変でした。

3.最後に

WSET Level 3 の講座や資格試験を通して、新しい視野を持つことができました。

いままでのブドウ畑や醸造設備の見え方が変わってきました。

また、ワインのスタイルに影響を及ぼす自然要因や作り手の意図・想いを考えたり、読み解いたりすることができるようになりました。

自身がしているインポーターの仕事において、存分に活かせるものなので、取り組んでよかったです。

コロナ渦で訪問ができていませんが、今まで以上にワイナリー巡りが楽しいものになりそうです。

ご支援・ご助力頂いた皆さま、共に勉強して頂いた皆さま、本当にありがとうございました。

この記事を書いた人

とくやま ゆきよし

メローネ 代表
(一社)日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
WSET Level 3 Certified

大手IT企業に17年在籍。データセンタSEとして、企業システムの移行プロジェクトに携わる。
フランチャコルタの美味しさと魅力に触れ、ワインインポーター メローネを起業。
ワインの国際輸送や保管の品質管理には、厳格な品質基準が求められる精密機器の輸送管理で得た知見を応用。現地の味わいそのままをモットーに、生きる喜びに満たされるワインをお届けしている。