2021/04/25 緊急事態宣言発出で酒類関係のど真ん中にいる人からひと言
ワインの輸入販売という酒類関係のど真ん中にいる人からひと言。
ご承知の通り、今回の緊急事態宣言の発出によって、飲食店さんでの酒類提供ができなくなりました。
今回の発出に伴い、飲食店さんの卸をメインとしている手前どもの酒類輸入販売業としては、出荷がなくなりました。
おかげさまで、熟成による複雑味が増して、より美味しくなることでしょう(^-^)
あ、皮肉です。
念のため、関係自治体や省庁の一次情報をネットで一通りみましたが、酒類提供自粛の情報だけ。
酒類関係者向けの発表や直接的なものは何もありませんが、経済産業省から月次支援金という形で以下のような概要が発表されました。
2021年4月以降に実施される緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う、「飲食店の休業」や「外出自粛等」の影響により、売上50%以上減少した中小法人・個人事業者等の皆様に月次支援金を給付します。月次支援金の給付に当たっては、一時支援金の仕組みを用いることで、事前確認や提出資料の簡略化を図り、申請者の利便性を高めていきます。
ということです。概要や詳細、申請方法などは、経済産業省の月次支援金のページをご覧ください。
売上規模の大小にかかわらず、取り合えずはこれで凌いでおいてください、ということなのでしょうか。2019年もしくは2020年比で売上50%減少と謳っておりますが、2020年比だと昨年の緊急事態宣言で既に50%以上売上減少しています。なので、2019年比になりそうです。
あと、しれっと書いておきますが、昨年引き上がった酒税の影響もあります。果実酒は、昨年、2020年10月に引き上がり、2023年10月のあと1段階の引き上げで一旦は終わりとなりますが、対象種類によっては2026年まであと2段階引き上がります。
発出後、数日経過しましたが、状況の推移を鑑みると、大阪府では解除日を延長すると見込まざるを得ないように思います。
過去数千年にわたり、疫病と戦ってきた人類史ではありますが、自身としては生まれてこの方経験したことのない事態の遭遇。常に最悪の状況を想定して立ち振る舞いをするのが経営者としての範ですが、これに立ち向かい、変化していくかは、自考と合わせて、過去の経験則を紐解いて対応していくしかないようにも思います。
いずれにしても、今回の措置にあたり、お酒を売ったり提供すること自体が悪いような印象付けになってますが、危惧するのは、酒類提供自粛がきっかけで、今後「お酒無しでもいいや」という雰囲気が醸成され、酒類の需要量がさらに減少していくことです。
ワインであれば紀元前数千年前からずっと造られてきたものですし、数千年の過去から様々な疫病が伝播・流行しながらも、洋の東西を問わずお酒造りやお酒を愉しむ文化が脈々と続いているのには、何かしら意味があるはずなのです。
あらためて、お酒は「食欲を増進する」「ストレスが緩和される」「緊張がほぐれてコミュニケーションを円滑にする」等という本来的な効用があります。
が、今後、酒抜きの「燃料補給のような食事」の方向性で是としていくのか、人間だけが享受できる「食文化」の1つをこれからも愉しみ育んでいきたいのかを考えて欲しいと思います。
特に泡物の一種であるフランチャコルタは、少し癒しが欲しい時や、気持ちを上げたい時、ハレの日を祝う時にこそふさわしいワインです。ハレの日の喜びをみんなで分かち合い、フランチャコルタというワインを通して、共に時間を過ごす楽しさや人のつながりを大切にしてもらいたいと思います。
また、お料理とワイン、ワインとお料理は一体不可分のものだと思いますし、ワインという最後の調味料が合わさってお料理が出来上がるものと思っております。
そのなかで私たち「メローネ」という存在が調味料や本来的な効用として必要であれば、またお声がけください。
また宜しくお願いいたします。
この記事を監修した人
とくやま ゆきよしメローネ 代表
(一社)日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
WSET Level 3 Certified
大手IT企業に17年在籍。データセンタSEとして、企業システムの移行プロジェクトに携わる。
フランチャコルタの美味しさと魅力に触れ、ワインインポーター メローネを起業。
ワインの国際輸送や保管の品質管理には、厳格な品質基準が求められる精密機器の輸送管理で得た知見を応用。現地の味わいそのままをモットーに、生きる喜びに満たされるワインをお届けしている。