近年日本で人気急上昇中の「スパークリングワイン」。東京税関が公表した統計(令和元年10月30日)によると、輸入量(KL)は、2008年から2018年で1.56倍 1998年から2018年で3.63倍にまで上昇しています。ビールに代わる乾杯用アルコールドリンクとして注目が集まっています。
今回は「スパークリングワインと乾杯」というテーマについて、「歴史や特徴」「乾杯マナー」両面から解説。最後には乾杯の席におすすめの、気持ちが上がるスパークリングワインを5つ具体的に紹介していきます。
もくじ
乾杯にはなぜスパークリングワインが飲まれるの?歴史や意味を解説
フォーマルな場またはカジュアルなパーティーなど、幅広いお祝いの席にマッチするスパークリングワイン。
ところで、どうしてスパークリングワインは乾杯の席に飲まれることが多いのでしょうか?その歴史や乾杯の意味について紐解きます。
「おめでたい物」としてのスパークリングワインの歴史は「シャンパン」から
おめでたい物としてのスパークリングワインの歴史は、シャンパーニュ(シャンパン)が誕生した時代に遡ります。
イギリスへワインを運ぶ途中で偶然生まれたというシャンパーニュは、黄金色に輝き泡が絶え間なく立ち上るなんとも美しい液体。
シャンパーニュ地方ランスの王侯貴族は、一目見てそのスパークリングワインを気に入りました。以来、ランス大聖堂の戴冠式や洗礼式には伝統的にシャンパーニュが使用されるようになったのです。つまり「王族のお祝い行事に使われていた」という歴史があるのですね。
乾杯!でグラスを合わせる意味とは 現代ではマナーにも注意
スパークリングワインといえば「乾杯!」と共にグラスを合わせるイメージが強いかもしれません。この「乾杯」の仕方も大変古い歴史を持ちます。グラスを合わせる「乾杯」に込められていた意味には、以下3つがあります。
- 古代・中世ヨーロッパにおいて魔除け・悪魔祓いとして行われていた
- 権力階級の毒殺が多かった中世ヨーロッパにおいて、お互いのグラスに毒が入っていないことを確認する意味で行われていた
- 軍の士気を上げる目的で、グラス同士をぶつけて音を出していた
合わせて知っておきたいのが現代の乾杯マナー。
スパークリングワインのグラスを合わせて乾杯するのは、カジュアルなパーティーや家族・親友の間など砕けた場で行われる方法。フォーマルな場ではグラスを目の高さにあげて「乾杯」と言うのが一般的です。
理由は、スパークリングワインのグラスが非常に繊細に作られているから。グラスを割ることでおめでたい場に水を差さないよう、TPOをわきまえた乾杯を心がけましょう。
乾杯に欠かせない理由 スパークリングワインについても知っておこう
続いてスパークリングワインについて以下の点を解説していきます。
- 種類
- 製法
- 特徴
一口に「スパークリングワイン」といっても、生産国から色タイプ・ブドウ品種、製法まで非常に多くの種類があるのです。特徴を知っておくと、乾杯に使うワイン選びやゲストのおもてなしに役立てることができますよ。
スパークリングワインの種類 世界で造られるスパークリングワイン
スパークリングワインは、ほぼ全てのワイン生産国で造られています。代表的なものは以下の通りです。
生産国 | スパークリングワインの種類 | 色タイプ | ワインのグレード |
---|---|---|---|
イタリア | フランチャコルタ | 白・ロゼ | 高級 |
アスティ・スプマンテ | 白 | カジュアル | |
ランブルスコ | 赤 | カジュアル | |
フランス | シャンパーニュ | 白・ロゼ | 高級 |
クレマン | 白・ロゼ | カジュアル | |
スペイン | カヴァ | 白・ロゼ | カジュアル~高級 |
ドイツ | ゼクト | 白・ロゼ・赤 | カジュアル~高級 |
高級なグレードのスパークリングワインは、価格5,000円以上のものが多い点が特徴。少々高く感じるかもしれませんが値段に見合った、またはそれ以上の感動や満足感を与えてくれるでしょう。ワイン好きの方が集まる場であれば、乾杯にはグレードが高めのワインを用意したほうが喜ばれるはずです。
カジュアルなワインは、低価格なもので2,000円程度から手に入るものも。銘柄にもよりますが、旨味より炭酸の清涼感を楽しむワインが多いのが特徴です。普段お酒に親しんでいない方がいる場での乾杯ワインにおすすめといえるでしょう。ただし銘柄によって品質の差が大きい傾向にあるため、ワインに詳しくないと選ぶのが難しいという側面もあります。
スパークリングワインの製法
スパークリングワインの代表的な製法には、大きく分けて以下3種類があります。
- 瓶内二次発酵方式
- シャルマ方式
- ガス充填方式
乾杯の席で圧倒的におすすめなのは、「瓶内二次発酵」で造られたスパークリングワインです。
理由は、旨味とコク・泡持ち・泡の繊細さが段違いだから。イタリアのフランチャコルタやフランスのシャンパーニュなどは、瓶内二次発酵で造ることが義務づけられています。
お祝いの席にぴったりの理由 スパークリングワインの特徴
スパークリングワインの特徴といえば、以下が挙げられます。
- 美しい色調
- 上品な味
- 幅広い料理に合う(特に瓶内二次発酵のスパークリングワイン)
スパークリングワインの輝かしい黄金色は、乾杯を盛り上げること間違いなし。さらに前菜からメインまで、合わせる料理の幅が広い点もパーティーなどにぴったりの大きな理由です。「たくさんの人が集る場でも一人一人が満足できる」のがスパークリングワインなのです。
乾杯におすすめのスパークリングワイン5選!
- 5,000円台で手に入る「フランチャコルタ ブリュット NV ブレダソーレ 750ml [発泡白 ]」
フランチャコルタ ブリュット
生産者: ブレダソーレ
最初のおすすめは、5,000円代で購入できるフランチャコルタの銘柄です。果実感溢れる親しみやすい印象があるため、楽しい食事の始まりを彩るのにぴったりです。
- クリーミーな泡「フランチャコルタ サテン マグナム NV ラ・トッレ 1500ml [発泡白] 」
フランチャコルタ サテン マグナム
生産者: ラ・トッレ
こちらは「サテン」と呼ばれるカテゴリーのフランチャコルタ。
ガス圧がやや低く規定されており、クリーミーな質感の泡になるのが大きな特徴です。幅広い年齢層が集まるパーティーの乾杯に最適でしょう。
- ワインファンが集まる会で開けたい「フランチャコルタ ブリュット ノン・ドザート NV サン クリストーフォロ 750ml [発泡白] 」
フランチャコルタ ブリュット ノン・ドザート
生産者: サン クリストーフォロ
「本格的なワイン好き」「自然派ワインが好み」こんなゲストがいる時に選びたい乾杯スパークリングワインです。
糖類の添加が行われておらず、なんと酸化防止剤も無添加。ひと味違う乾杯スパークリングワインです。
- ロゼで選ぶなら「フランチャコルタ ロゼ マグナム NV ラ・トッレ 1500ml [発泡ロゼ] 」
フランチャコルタ ロゼ マグナム
生産者: ラ・トッレ
華やかなロゼのフランチャコルタは、乾杯を楽しくするアイテム。柔らかなピンクオレンジの色調は、女性に喜ばれそうですね。
マグナムボトルなのでたくさんの人に楽しんでいただけます。
黒ブドウのピノ・ネーロ(ピノ・ノワール)を使用しており、肉料理にも合う一品です。
- 大人数が集まるパーティーにぴったり「フランチャコルタ ブリュット マチュザレム NV ラ・トッレ 6000ml [発泡白] 」
フランチャコルタ ブリュット マチュザレム
生産者: ラ・トッレ
こちらなんと「マチュザレム」と呼ばれる6000mlの超大容量ボトル!
大きなボトルのワインは良い状態で熟成が進むことも多く、何より存在感の大きさからパーティーを盛り上げてくれますよ。
日本には1~2本だけの入荷なので、超希少です。
この記事を監修した人
とくやま ゆきよし
メローネ 代表
(一社)日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
WSET Level 3 Certified
大手IT企業に17年在籍。データセンタSEとして、企業システムの移行プロジェクトに携わる。
フランチャコルタの美味しさと魅力に触れ、ワインインポーター メローネを起業。
ワインの国際輸送や保管の品質管理には、厳格な品質基準が求められる精密機器の輸送管理で得た知見を応用。現地の味わいそのままをモットーに、生きる喜びに満たされるワインをお届けしている。