食中に楽しまれることも多いワインは、「料理とのマリアージュ・ペアリング」を非常に大切にします。
ワインは無数にあるので、さまざまな料理と合わせることが可能で、「相性の良い組み合わせ」を探していくことも楽しみのうちのひとつです。 今回はそんな料理のなかから「餃子」を取り上げ、餃子と合うワインについて紹介していきます。
もくじ
焼き餃子と相性の良いワインを選ぶ~ニンニクとバランスをよくとるロゼが好相性
「餃子」も、ひとつだけではありません。ここでは「焼き餃子」「蒸し(海老)餃子」「水餃子」の3つを取り上げていきます。
まずは焼き餃子に注目しましょう。
意外に思われるかもしれませんが、「焼き餃子」は日本の文化だとされています。餃子の本場中国では、基本的には焼き餃子はあまり食べられません(ただし現在は、中国人がひらいたお店など でも焼き餃子を出すところはあります)。
外国から入ってきた料理がそれを受け入れた国の文化とともに様変わりしていくのはよくある流れですが、この「日本の文化と中国の文化」が合わさった焼き餃子に、欧州生まれのワインはどのように合わせていくべきなのでしょうか。
焼き餃子に合わせやすいワインの方向性として、「ロゼワイン」 があります。
ロゼワインは、白ワインとも赤ワインとも異なる独特の風味を持ちます。フレッシュな雰囲気を持つものも多く、フルーティーな香りを持つものもよくみられます。ロゼワインのこの性質が、焼き餃子のニンニクとバランスを取り合います。
“ラウラ スキャーヴァ ジェンティーレ” ロンキ ディ ブレーシャ
生産者: ノヴェンタ
辛口のロゼワイン。オレンジがかったピンク。フレッシュで若々しく、ミネラル感とふくよかな風味が余韻。
夏の季節にぴったりの一本。少し冷やす程度で香りよく楽しめる一本。ロンキは、丘陵(コッリーナ Collina)のブレーシャ方言。
餃子に合うロゼワインとして重宝します。
価格: 7,216円(税込) [会員価格あり]
また、切れ味の良いシャープでドライなスパークリングワイン もよく合います。特に、トマトソースやチリソースなどを添えた焼き餃子とは相性がよいとされています。ミネラル香を持つシャープでドライなものだと、より合わせやすいといえるでしょう。
ちなみにこのような性質を持つワインは、小籠包などのほかの中国料理にも合わせやすいので、「中国料理にする!」と決めた日に1本求めておくと良いかもしれません。
フランチャコルタ サテン
生産者: コルテフジア
辛口のスパークリングワイン。イエロー。柑橘系、青リンゴ、イースト香とミネラル感がある。シャープで非常にドライ。サテンとは思えないほど辛口。
ノンドザージュ。年間生産本数 約4,500本
お料理: カルボナーラ、ラザーニャ等のプリモピアット、バッカラマンテカートやテリーヌ等クリーミーなアンティパスト、また、餃子や小籠包等、中国料理。
価格: 10,010円(税込) [会員価格あり]
蒸し海老餃子にはやはり白ワインがおすすめ、赤ワインでも種類を選べばOKです
次に取り上げるのは、「蒸し海老餃子」です。ぷりぷりの海老が人気の餃子で、中国本土でも日本でも人気のある餃子です。「餃子といえば蒸し海老餃子」という人も多いのではないでしょうか。
この蒸し海老餃子と相性の良いワインについてみていきましょう。
蒸し海老餃子と相性の良いワインとして、「ピノ・ネーロを使ったワイン」が挙げられます。「ピノ・ネーロ」というと聞き覚えがない……という人もいるかと思われますが、「ピノ・ノワール」と聞けば思い当たる人も多いのではないでしょうか。フランスのブルゴーニュ地方の代表的なブドウとされているピノ・ノワールは、イタリアでは「ピノ・ネーロ」と呼ばれています。
ピノ・ネーロはカモ肉などと非常に相性の良いワインであり、フランス料理のコースなどでもよくこの組み合わせで提案されます。
渋さはそれほどなく、軽めの風合いを持つブドウ品種であるのが特徴で、エビやカニとの相性も比較的良いのが特徴です。ドライで華やかな味わいを持つものも多く、蒸し海老餃子をひとつ上の料理へと格上げしてくれる効果が期待できます。 ピノ・ネーロを使ったワインは数多くありますが、スパークリングを選ぶと飲みやすいでしょう。
フランチャコルタ ロゼ
生産者: コルテフジア
辛口のロゼスパークリングワイン。ピノ・ネーロ100%使用。サクラ色。熟したさくらんぼやラズべりーの香りにジンジャーや白胡椒のスパイシーさも感じる。シャープで非常にドライでありながら、華やかなさがある味わい。
加糖無しのノンドザージュタイプ。セニエ(マセラシオン)方式 ステンレスタンク内で約4時間果皮と接触。
お料理: エビやカニの甲殻類、鴨や鳩などジビエ。蒸し海老餃子にも合います。
価格: 10,010円(税込) [会員価格あり]
つるりとしたのど越しを楽しむ水餃子は、吟味したシャルドネと合わせて
最後に取り上げるのが、「水餃子」です。
独特の触感を持ち、つるりとしたのど越しがうれしい水餃子は非常に特徴的なものです。
するりと喉に入っていき、温かさを持つ料理のため、冬場に特に食べたくなる……という人も多いのではないでしょうか。
この水餃子と相性の良いワインを考えていきましょう。
水餃子ともっとも相性が良いワインである、としてよく取り上げられるのは、白ワインの国際品種である「シャルドネ」です。
ただ、シャルドネはそれがつくられている産地のテロワールの影響をもっともよく反映するブドウ品種であるとされているため、つくられる土地によってその味わいが大きく異なります。
そのため、定義づけが非常に難しいブドウといえます。このようなことを踏まえて、単純に「シャルドネである」ということだけで選ぶのではなく、「そのワインがどんな特徴を持っているか」で選ぶ必要があります。
水餃子に合わせることを目的としてシャルドネを選ぶのであれば、すっきりとした味わいで、フレッシュな風味を楽しめるものがよいでしょう。フレッシュでさわやかな風合い を持つシャルドネも合わせやすいといえます。
ヴィーノ ビアンコ “ギアイエ”
生産者: ブレダソーレ
辛口の白。レモンイエロー。果実味豊かな味。ほどよい酸。
すっきりした味わいでフレッシュさを楽しむワイン。
ギアイエの由来は、砂利(=ギアイエ)や砂の土壌から。
お料理: 前菜、フレッシュチーズ、野菜のクリームなど。
価格: 3,580円(税込) [会員価格あり]
水餃子に合わせるうえではこの「フレッシュ感」「辛口であること」が重要視されますが、後は個人の好みにもよります。果実感のあるものも比較的相性が良い一方で、ミネラル感を 強く感じるものもおすすめです。
フランチャコルタ ブリュット
生産者: カモッシ
辛口のスパークリングワイン。レモンイエロー。柑橘系、青リンゴなどのフレッシュでチャーミングな香り。貝殻のようなミネラル感。
若々しくバランスの良いニュートラルな味わい。
ドザージュは同年白ワイン+モスト
お料理: カルパッチョやマツタケなど柑橘類を使った料理。焼き鳥(塩)、ウニやカラスミ。
価格: 8,360円(税込)[会員価格あり]
この記事を監修した人
とくやま ゆきよし
メローネ 代表
(一社)日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
WSET Level 3 Certified
大手IT企業に17年在籍。データセンタSEとして、企業システムの移行プロジェクトに携わる。
フランチャコルタの美味しさと魅力に触れ、ワインインポーター メローネを起業。
ワインの国際輸送や保管の品質管理には、厳格な品質基準が求められる精密機器の輸送管理で得た知見を応用。現地の味わいそのままをモットーに、生きる喜びに満たされるワインをお届けしている。