美味しい瓶内二次発酵のスパークリングワイン・フランチャコルタを見極める!
現在、世界では様々な方法でスパークリングワインが製造されています。あの泡はどのようにしてできているのでしょうか?
実は、美味しいスパークリングワインは製造方法がポイントなのです。その見極め方や選び方をご紹介します。
いくつかある製造方法で、今回は一番手間と時間がかかる瓶内二次発酵という方法をご紹介いたします。
瓶内二次発酵のスパークリングワインには、澱抜きという製造工程があります。
皆さん、瓶内二次発酵のスパークリングワインは、澱抜きをしないといけない事はご存知でしょうか?
出典:メローネ https://melone.co.jp/
いちど発酵したワインに、さらに酵母と蔗糖を加え、酵母が糖分を食べ、CO2(二酸化炭素)になり、泡がボトル内に充填します。
この現象がまさに、瓶内二次発酵です。
酵母が糖分を食べた後のカスになり、上の写真に映っているように、カスが残っています。
このカスが澱になるわけです。
そしてこの澱を抜く作業をデゴルジュマン、イタリア語でSboccatura(スボッカトゥーラ)と言います。
瓶内二次発酵の高級スパークリングワインであるフランチャコルタの製造方法では、写真上部の様に、きれいに並べられている状態で、最低18か月熟成されます。
その後、上の写真手前のプピートルという木で作られ、穴を空けた台に並べます。
そして、毎日8分の1づつ回し、角度を高めていきます。
この作業は、瓶底に残った澱を瓶口へ運ぶ大事な作業です。
角度と回転
そして、上の写真で見られるような大きなタコ焼き器に見える機械にボトルの首の方を突っ込みます。
たこ焼き器(笑)の下部には、水が張ってあり、彼が指で示す通り、瓶の先を凍らしてくれます。
まだコルク栓では無い瓶から、王冠キャップを外すと同時に首を上に向けることにより、瓶内の気圧により、3~4センチほど凍らせた部分だけが飛び出す仕組みなんです
その後、内容量が減っている分、液体を足します。
この液体は、リキュールと呼ばれると同時に、作業的には、ドザージュするとも言われます。
リキュールの原料は、基本同じ年のワインと蔗糖で作られた、いわばシロップです。
フランチャコルタの生産者によっては、この段階でワインのところがリザーブワインを数パーセントの割合で加えたりします。リザーブワインとは、わかりやすく言いますとウナギダレのような古い年代のワインから継ぎ足しで残しているワインダレ(?)の様なものです。各年代別で保存されているフランチャコルタの作り手もいてるでしょうね
瓶内二次発酵のスパークリングワイン製法の過程で、このリザーブワインを足す事によって、作り手が望むワイナリーとしての味わいやキャラクター付けになったり、ノンヴィンテージ(NV)のスパークリングワインでも、味わいに深みが出やすくなったりします。
因みに、ノンドザージュとは、シロップの部分がワインのみという事で、蔗糖などの糖分を加えないという事です これこそが、自然派スパークリングワイン!
さて、メローネで取り扱いのフランチャコルタの生産者は、この澱抜き作業後、すぐに出荷しません。
なぜかと言いますと、フランチャコルタの製法規定でも最低18か月の間、じっくり瓶内熟成されたフランチャコルタが澱抜き作業によって飛び起こさせられた状態になるからです。
ワイン自体、あとから目減りした分を足されたワインが微量ながら存在する訳ですから、なじんでいないのです。
形としては、フランチャコルタとして出荷できる状態ですが、ワインの状態を考えて、澱抜き後、最低でも4~6か月は、出荷していません。
次に美味しいスパークリングワインの選び方です。
フランチャコルタやシャンパーニュ、カヴァ、クレマンなどの瓶内二次発酵のスパークリングワインをご購入された後や、レストラン・ワインバーにてスパークリングワインをご注文されたときは、ボトルの裏ラベルを是非ご覧頂きたいです。
まじめで正直なスパークリングワインの作り手ほど、きっちりとボトル詰めの日時や澱抜き作業の日時を記載しています
もちろん、メローネ取り扱いのフランチャコルタの生産者は、すべて記載されています
なぜ、大事かと言いますと、裏ラベルに明記されていると、澱抜きされた日時からどれだけの期間経過しているか、ボトル詰めから何か月瓶内熟成されているか、ノンヴィンテージであっても何年の収穫のワインなのかが分かる仕組みだからなんです。
例えば、あるインポーターが「このスパークリングワインは、60か月熟成されている」と言っても、実際は記載されていなかったりします。
また、逆に裏ラベルにはスパークリングワインの熟成期間が明記されていて、実際には半分の30か月熟成であるにもかかわらず、そのことを理解していないと、消費者に対して、虚述している事になります。
美味しいスパークリングワインの選び方の一つとして、小話程度に覚えていてくださいね