小規模で家族経営ながらもフランチャコルタ界を代表するフランチャコルタの名手
もくじ
サン クリストーフォロ
Azienda Agricola San Cristoforo
自社ブドウ栽培・元詰100%のフランチャコルタ小規模・家族経営ワイナリー
1992年創業。ブルーノ・ドッティと妻クラウディアから始まり、現在は、一人娘のチェレステが引き継ぐ、家族経営のワイナリーです。
自社所有畑は10ha。フランチャコルタDOCGの中心地エルブスコで、ワイナリー隣接の南西向きの畑と、近隣の平地と緩斜面にある畑の3箇所です。
経営者自ら畑にでむき栽培、収穫、醸造までを管理。
高品質のフランチャコルタを作るという一貫した考えのもと、土壌・生産には常に新しいアイデアやテクノロジーを導入。
ブルーノの哲学ともいえる、”自分が納得するものしか商品化しない”と言う考えと、自らトラクターに乗って、畑で働く姿はサンクリストーフォロの高い品質を保証しています。
ブドウ作りに情熱を注いで働く姿が高い品質を生み出し、イタリアの自然派ワインの作り手ならこぞって受賞を目指す著名ワイン評価誌「スローワイン」や「イタリアのベストスパークリングワイン100」に選ばれるなど、数多くの受賞につながっています。
創業者ブルーノの想いと日本の皆さんへのメッセージ
創業者のブルーノ・ドッティ氏は、フランチャコルタの地域をとても愛しており、幾千年もの時間をかけて育まれたこの地域の自然は、驚くほど様々な表情を創り出して見せてくれると話します。
フランチャコルタはヨーロッパのミラノ近郊にある素晴らしい土地です。
幾千年もの時間をかけて育まれた自然は、驚くべきバリエーションと色彩に富んだ景色を創り出し、もっとも大切な宝を生み出しました。それが、ワインです。
土塊やカンティーナ、小さな丘や湖の片隅を寄り道したり、古い建物を彷徨ったり、グラスの中の泡を数えて遊ぶのは、新たなワインを見つけるきっかけになります。
カンティーナの扉を叩くことは、ありふれた乾杯のジェスチャーの裏にも、ひとつの世界がある事を知り、どこまでも広がる感動の扇を広げることにつながります。
それが、フランチャコルタです。ひとつの地域、ひとつのワイン。
私達は自分達の商品を、あなたがたの国へ送ることを決めました。なぜなら、ある日本人と知り合ったからです。彼らはフランチャコルタに暮らし、文化とフランチャコルタの伝統を融合させた料理を提供し、私達の味覚を驚かせ、感動させました。
私達の土地と私達の商品を、彼ら以上にしっかりと紹介できる人が他にいると思いますか?
世界にフランチャコルタだけが認められたカテゴリー「サテン」を作らない異色の存在
生産カテゴリーは、下記の通り。
リキュール添加・加糖しないノン・ドザートは、酸化防止剤も使わない、極めてナチュラルなフランチャコルタ。フランチャコルタファンからは絶大な人気を得ています。
辛口好みであるブルーノの意向で、フランチャコルタ サテンは作らない方針。フランチャコルタ サテンは、残糖量が多い方向性なのが一般的なフランチャコルタというのもあるのでしょう。
パ・ドゼ リセルヴァ チェレステ 2008は、2016年のイタリア最大のワイン見本市であるヴィーニイタリーで初リリース。以降は良年収穫ブドウだけを使ったプレステージで、約1,000本の限定生産です。
一族の大反対を押し切ってフランチャコルタのワイナリーを立ち上げた経緯
ブルーノとその一族は、石油等の燃料を供給する会社を経営。一族全員は、ブルーノがその仕事を継ぐものだと信じていました。ところが、彼のワインへの情熱は両親をはじめ、親戚一同を驚かせることとなります。
安定した仕事がありながら、自分が志すワイン作り、とりわけフランチャコルタへの情熱が強かった彼は1992年、一族の大反対を押し切って自らのワイナリーであるサン クリストーフォロ(Azienda Agricola San Cristoforo)を立ち上げます。
苦難を経てフランチャコルタ誕生までの道のり
ところが、ワイナリーを立ち上げた1992年は雨続きで、ブドウはひと房も収穫できませんでした。
唯一の味方である妻クラウディアも妊娠中でブルーノはたった一人でこの苦境に立ち向かいました。
普通ならここであきらめそうなものですが、信念の人ブルーノは全く怯みませんでした。
そして、遂に1996年、彼の初のフランチャコルタであるサンクリストーフォロのブリュットが誕生します。
ブルーノにとっての最初のフランチャコルタ、ブリュットは僅か6,000本の生産でした。
フランチャコルタ生産者として最高峰の品質を目指す情熱とその考え方
サンクリストーフォロのワイナリーは、とても小さいのですが、非常に合理的に考えて造られています。
ワイナリーは、ブドウ畑の下を掘り込んだ造りになっています。この為醸造所は空調を入れることなく1年を通して温度が一定に保たれています。
半地下に作られた醸造所は、無駄を省き、必要最小限の設備になっています。
サン クリストーフォロのブドウ畑は、現在10ha。全てエルブスコという同じ村(コムーネ)の中にあります。
ブドウ畑は、半地下であるワイナリーの上部隣接する形で1か所。そして、近隣に2か所を所有。
アルプスから流れてきた氷河の末端部分で、モレーンと呼ばれる馬蹄形丘陵の南西向きの斜面と緩斜面、そしてわずかな平地が残る場所に各ブドウ畑があります。
ワイナリーに隣接する畑では、ピノ・ネーロを栽培。残りの畑ではシャルドネを栽培しています。
土壌は、氷河の作用で生成された氷堆積(モレーン)。この氷堆積土壌は、水はけがよく、水分が必要な農作物の栽培には長年不向きな地域でした。しかし、戦後にブドウ栽培には向いていることが分かり、現在では盛んに栽培されています。
ミクロクリマ(微気候)としての観点では、アルプス・プレアルプスからカモニカ渓谷というU字谷を伝って、フランチャコルタDOCG北端にあるイゼオ湖、モレーン(馬蹄形丘陵)を超えて、南斜面側にある各畑に風が吹き下ろし、さらにブドウ畑の南端にあるオルファノ山という山稜にあたり、その作用で空気循環が起こります。
内陸にあるため、本来は冷涼化が進むのですが、イゼオ湖という大きな水資源があるために冷涼化が緩和され、ブドウの生育温度としては恵まれた配置になります。
一方で夜間はアルプス・プレアルプスからの冷気が入り込むため、日較差としては大きくなります。
ブドウ畑は南西斜面向きにありますので、日照としても恵まれた環境にあります。
ブドウ畑が全てエルブスコという同じ村(コムーネ)の中にある利点についてです。
本来は東西約20km、南北約15kmあるフランチャコルタDOCG領域に分散して畑を配置し、ヴィンテージの良し悪しを均一化することが定石なのです。
ですが、あえてワイナリーの周辺に集中配置することは、自分たちが住み暮らすその原産地やその年の味わいをストレートに表現したいためです。
確かに良年と言われる収穫年もあれば、思わしくない収穫年もあります。それを覚悟の上でブドウを栽培。
しかし、そのリスクを補うために生育環境の良いブドウ畑を選定していることや、最良のブドウを手摘み収穫・選別し、生産本数を調整してでもワイン作りをするのがサンクリストーフォロのスタイルなのです。
詳細は後述しますが、収穫年度表記の無い(ノン・ヴィンテージ)ブリュットでも、収穫した年の全てのベースワインを使い切り、ヴィンテージをまたぐものが無いため、実質的には収穫年度表記のあるヴィンテージと同じになります。
そこで、垂直テイスティングと言って、例えば、収穫年度の異なるブリュットを飲み比べると、その味わいの違いが顕著に表れます。この違いがスタイルの1つです。
ブドウは無個性な製品ではなく、農作物であり、その年の違いを楽しみ、自然の恵みへの感謝という姿勢が表れています。
次に醸造設備についてです。ベースワインを作る第一次発酵は、主にステンレスタンクを使用します。
ステンレスタンクは、区画単位に収穫・圧搾したブドウ果汁をタンク別にして発酵を行います。
また、ブドウのフレッシュな香りと風味を活かすため、シャルドネの発酵温度は、15℃と比較的低めに設定しています。
不純物を取り除く際の澱引きは、雑味が残らないよう低温で約1ヶ月かけて沈殿させていきます。
動瓶(ルミアージュ)は、すべてジーロパレットという機械を使用しています。
3時間ごとに1/8回転させ、酵母との接触と瓶口に澱を集めていきます。
- ブドウ畑
- 自社畑100%
- 配置: エルブスコに3か所 計10ha
- 標高・方角:
1. 250m-235m / 南西向き: 1か所
2. 210m / 南西向き 緩斜面: 1か所
3. 210m ほぼ平地: 1か所 - 土壌: 氷堆積(モレーン)
- 栽培
- ブドウ:
1. ピノ・ネーロ
2.3. シャルドネ - 農法: ビオロジック
- 栽培密度: 4,000株/ha
- 仕立て: 垣根仕立て(グイヨ・サンプル)
- 平均樹齢: 約25年
- ブドウ:
- 収穫
- 収穫量: 4572.21㎏
- 収穫時期: 8月中旬~9月初旬
- 収穫方法: 手摘み
- 収穫容器: 規格容器 18~20kg/ケース
サン クリストーフォロでは、100%自社畑で栽培。平均樹齢として旬なブドウを収穫。
ブドウの生産から醸造・瓶詰まで自社で賄います。ブドウを他の生産者に売却することは全くありません。
- 圧搾
- 全房圧搾
- 搾汁方法: 空気圧式搾汁
- 搾汁回数: 1回
- 搾汁率: 55%
サン クリストーフォロでは、より純粋な果汁を得るために、圧搾による最初と最後の果汁は使用しません。
- 一次発酵
- ステンレスタンク: 約15℃
- オーク樽(一部ヴィンテージ)
- 発酵期間: 7~8か月
- 澱引き: 低温清澄(0~10℃)
- 瓶詰
- 瓶詰時期: 各ボトルに記載
各ボトルには、白文字で「TIRAGGIO 05 2018 」などと記載されていいます。
▼読み方: TIRAGGIO: 瓶詰 / 05: 月 / 2018: 年
なお、サン クリストーフォロのブリュット、ブリュット ノン・ドザート、ロゼは、カテゴリのうえでは、収穫年度表記の無いノン・ヴィンテージ(NV)ですが、収穫したブドウを全て使い切るため、2018と表記があった場合は、前年度(2017年)の収穫ブドウであることが分かります。
- 瓶内二次発酵・熟成
- ブリュット: 最低 36か月(規定では18か月以上)
- ブリュット ノン・ドザート: 最低 30か月(規定では18か月以上)
- ロゼ: 最低 38か月(規定では30か月以上)
- パ・ドゼ: 最低 48か月(規定では36か月以上)
- ミッレジマート: 最低 48か月(規定では36か月以上)
- パ・ドゼ リゼルヴァ: 最低 80か月(規定では60か月)
ブリュットの熟成期間は、製造規定の2倍の年月をかけて長期熟成をしています。
サン クリストーロフォロのスタイルとして、最高品質を追求するために長年試行錯誤した結果です。
フランチャコルタのスタイルは、辛口と長期熟成による調和の妙
サンクリストーフォロは、辛口のフランチャコルタを作ることに情熱を注いでいます。
その1つが残糖量。サン クリストーフォロにおけるドザージュと残糖量は下記の通り。
カテゴリ | ドザージュ | 残糖量 | 規定 残糖量 |
ブリュット | 4.5g/L | 4.5g/L | 12g/L 以下 |
ブリュット ノン・ドザート | 0g/L | 0g/L | 0-3g/L |
ロゼ | 4.5g/L | 4.5g/L | 12g/L 以下 |
パ・ドゼ | 0g/L | 0g/L | 0-3g/L |
ミッレジマート | 4.0g/L | 4.0g/L | 12g/L 以下 |
パ・ドゼ リゼルヴァ “チェレステ” | 0g/L | 0g/L | 0-3g/L |
スタンダードなブリュットは、残糖量が約4.5g/L。ブリュットの規定 残糖量は12g/Lまでなので、サン クリストーフォロのフランチャコルタのスタイルが辛口であることが分かります。
なお、ドザージュとは、澱抜き後にリキュールを添加する工程のことです。このドザージュでの糖分添加量と、わずかに残っていた自然な糖分が合わさって、残糖量になります。なので、ドザージュの添加量と残糖量は異なります。ノン・ドゼやノン・ドザージュと言っても、甘味を感じる場合は、ブドウ本来の自然な糖分が残っているからです。
フランチャコルタは、ドザージュを何gという表記ではなく、結果として1L中の残糖量で表しています。その方がより明確な甘辛の指標になるからです。
さらに、ブリュットの製造規定では、最低18か月の瓶内二次発酵期間が義務付けられていますが、サン クリストーフォロは最低でも30か月(2年半)の瓶内二次発酵を行っています。
澱抜きの後も最低6か月は、ワイナリーで休ませて(Raffinamentoと呼ばれる洗練熟成)から出荷しているため、2倍の年月をかけて長期熟成させ、常に飲み頃の状態で皆様のお手元へ届きます。
次に長期熟成による調和の妙について。
長期熟成させることで、フレッシュな風味が弱まり、熟成による風味が発達するのが一般的ですが、サン クリストーフォロのフランチャコルタは、全てのカテゴリでフレッシュな風味と熟成による風味が調和しています。
特にヴィンテージのフランチャコルタは、混然一体となった完璧な調和が見て取れます。この仕上げ方に名手さを感じます。
フレッシュな風味を残しながらも長期熟成ができる最大の理由は、非常に健全なブドウであること。ブドウの酸度・糖度に問題があり、栽培の過程で問題があった不健全なブドウは、まず長期熟成に耐えられません。健全なブドウが育つ要因の1つには、先述した空気循環が起こりやすいブドウ畑の環境にあります。湿気や冷気が滞留する空気環境は、菌類病発生や果粒腐敗の要因になるからです。
また、ブドウ本来のナチュラルさを活かすために、ドザージュというリキュール添加を全くしない、もしくは、最低限度の添加というのも、健全なブドウであるその証左と言えます。仮に泡が無くなっても、スティルワインとして充分楽しめるポテンシャルをもっています。
自然なワインの作り手としての取り組み
サンクリストーフォロは、よりナチュラル、そして消費者の皆様にとって安全であることを考慮してBIOの認定を受けるための申請をしています。
BIOの認定には、3年近くの時間が必要なため、まもなく認定が下りる予定です。
でもそれは、フランチャコルタをより安心して楽しく飲んで頂きたい!というブルーノの考えからで、ブルーノ自身はさほど認定には拘っていません。
栽培から瓶詰まで自社製と分かるイタリアワイン選びの新基準
サンクリストーフォロは、イタリア独立ワイン生産者連盟(略称:FIVI / 読み:フィビ / Federazione Italiana Vignaioli Independenti)という団体に加盟しています。
この団体の加盟条件は、次の基準を満たすワイン生産者です。
- ブドウの樹を栽培し、自社のワインを瓶詰めし、自社の製品を自社で管理するワインメーカー。彼は自社の責任の下で、自社の名前とラベルを付けて、収穫の全部または一部をボトルで販売していること。
- ワインメーカーは、商業目的でのブドウまたはワインの購入を放棄します。施行されている法律に従い、極端なワイン造りのニーズのために、または山岳ブドウ栽培の場合は農業地域を保護するためにのみブドウを購入していること。
- ワインメーカーは、専門家のワイン醸造規則を尊重し、無駄で高価な添加物の使用を制限し、セラーメイクを必要としない健康的なブドウの生産に注意を向けていること。
このFIVIという団体は、自社畑のブドウのみを使用し、個性豊かなワイン作りをしている作り手達が加盟する団体で、イタリア国内でも高い評価を得ています。
加盟ワイナリーが販売するボトルの裏ラベルには、掲載画像のマークが入っています。イタリアワイン選びの基準の1つとして持っておけば良いでしょう。
サン クリストーフォロのボトルにもこのFIVIマークが入っています。
イタリア現地で高まる人気。2つ星レストランでリスト入り
サン クリストーフォロは、フランチャコルタ地域の2つ星レストラン「ミラモンティラルトロ」で食前酒としてサーブされるフランチャコルタとして、高い評価を得ています。
また、サン クリストーフォロのフランチャコルタは、厳密な審査方法による信頼性の高い最高峰イタリアワインのガイドブック「ガンベロロッソ-イタリアワインガイド」に掲載されています。
- フランチャコルタ ミッレジマート : ガンベロロッソ 2014: トレビッキエーリ最終選考
- フランチャコルタ パ・ドゼ リゼルヴァ “チェレステ”: ビベンダ 5グラッポリ
- フランチャコルタ パ・ドゼ 2013: イタリアのスパークリングワインベスト100 選出
- スローワイン 各賞受賞
また、サン クリストーフォロのフランチャコルタは、イタリアの老舗ブランド「グッチ(GUCCI)」にもその実力を認められており、日本で唯一東京にあった「グッチ・カフェ」では、フランチャコルタ ロゼ をグラス ワインとして提供されておりました(現在 グッチカフェは閉店)。
あらためてサン クリストーフォロのフランチャコルタを表現する言葉
ブルーノが作るワインを表現すると、Vino Pulito(ピュアなワイン)に尽きます。
出来る限りブドウの美味しさを表現したフランチャコルタはこの言葉がぴったり。
ドザージュを極力せずブドウ本来の美味しさを表現したフランチャコルタ。
また彼の人柄からもこの言葉が思い浮かびます。
あらためて・・・
と聞いてみると・・・
と満面の笑顔で答えてくれます。
Vino Pulito(ピュアなワイン)はUva sana(健康なブドウ)から。
Vino onesto(素直なワイン)はUomo onesto(正直者)から。
ブルーノの作るフランチャコルタを飲むとそれが良くわかると思います。
ぜひサンクリストーフォロの辛口フランチャコルタを一度お試しください。
そして後継者へ…映像によるサン クリストーフォロのご紹介
2020年から、チェレステ・ドッティさんにオーナーが引き継がれ、伝承、伝統、品質という想いを胸に後継者が頑張っています。
作り手としての思いを自ら語って頂きました。人柄を感じて頂ければ幸いです。
収穫・選別・圧搾・発酵の様子
フランチャコルタの作り手 サンクリストーフォロとメローネの出会い
イゼオの一つ星リストランテ、イル ヴォルトで働いていていた頃、オーナーのブルーノがアペリティーボや食事によく来ていました。ブルーノはカンティーナを営む前からイル ヴォルトに訪れてはシェフのヴィットーリオとワイン談義を繰り返していました。
自分が目指すフランチャコルタを作る為にはどうすれば良いか、夜な夜なヴィットーリオと語り明かしていました。
自分達は、その頃は挨拶をする程度でしたが、イル ヴォルトのシェフ、ヴィットーリオがブルーノのフランチャコルタを味見させてくれて、、美味しいな‥と思っていたのが始まりです。
その後、自らイゼオでオステリアを営むことになり、サンクリストーフォロのフランチャコルタをオステリア メローネでも使わせて欲しい、と直接話をしに行き、その頃から家族のように親身になり、なんでも本音で話せるようになりました。
オステリア メローネを営んでいた頃は、月に一度は必ず食事に来てくれて、近況報告をしたり、お料理に対する意見を聞かせてくれたりして、私達にとっては頼もしいサポーターでもありました。
また、毎年、年末のCenone(大晦日の晩餐)にも友達や親戚と一緒に来てくれて、オステリア メローネを営んでいた時は毎年一緒に年越しを祝っていました。
2013年にオステリア メローネを閉めることになった時にも一番力になってくれたのがブルーノでした。
メローネの植木やテーブル、椅子、お皿や調理器具と言った物を保管する場所がなかった私達に、うちに持っておいで!と快く助けてくれました。
イタリアでは外国人の私達。まだまだ田舎の街では偏見も多くありますが、彼は私達を信頼してくれ、オステリアで使っていた道具や家具を自分の家に置かせてくれました。
とてもありがたかったです。
日本にしかいない人にはわからないと思いますが、外国、特に欧州では日本人という立場はまだまだ弱く、信頼してもらう為にはかなりの努力と実績が必要です。
そんな私達を信頼し、サポートしてくれたブルーノには本当に感謝です。
何より、彼の作るフランチャコルタの美味しさに感動し、彼のフランチャコルタだけは自分達で日本に紹介したい!という思いから、輸入販売を始めるに至ったのです。
オステリア メローネを営んでいた頃、ある日、普段はグループで食事に来ていたブルーノが珍しく奥さんのクラウディアと二人だけで食事に来ました。その時に日本から自分達のフランチャコルタを輸入したいという話が来ているんだけど・・とブルーノから聞かされ、ちょっと待って!!と叫んだのを覚えています。サンクリストーフォロのフランチャコルタは私達が日本に紹介します!だから私達に任せて下さい!と。そこから私達のインポーターとしての経験が始まりました。
まさにサンクリストーフォロのフランチャコルタに出会っていなければ、今フランチャコルタの輸入販売をしていないと思います。
それくらいサンクリストーフォロのフランチャコルタは私達にとって特別なのです。
輸入販売を始めてからも、毎年のように日本に来てくれて私達の活動をサポートしてくれています。
初年度は取り扱い店も少なく、せっかく日本に来てくれたのに、お客様へ彼らを紹介することもできませんでしたが、翌年からは沢山のお客様に恵まれ、メーカーズディナーも東京、大阪、京都、神戸で行う事が出来ました!
現在は、一人娘のチェレステにワイナリーを委ねることになりました。
第2世代へと続いていくフランチャコルタ。しかし彼らの信念は変わりません。
常にナチュラルで、ブドウ本来の味わいを大事にしたフランチャコルタであること。
それは必然的に辛口のドザージュを極力しない味わいとなります。
時代が彼等のフランチャコルタに追いつくことを私達は見守りたいと思います。
フランチャコルタ リスト
フランチャコルタ ブリュット ノン・ドザート
Franciacorta DOCG Brut Non Dosato
熟成期間: 最低 30か月
料理: イタリアン全般。中でもフリット、天ぷら、串揚げなど油を使った料理の相性が良い。天ぷらは京都や大阪の天ぷら専門店に出されています。
フランチャコルタ ロゼ
Franciacorta DOCG Rosé
熟成期間: 最低 36か月
料理: イタリアン全般。魚介類のスープ、仔牛・牛フィレなどの肉料理。濃い目の味付けのパスタやリゾット。エビやカニの甲殻類に合います。
フランチャコルタ パ・ドゼ
Franciacorta DOCG Pas Dosé
熟成期間: 最低 48か月
料理: 生ガキや、刺身、寿司など魚料理全般。日本の会席料理
イタリアのスパークリングワイン ベスト100選出
フランチャコルタ パ・ドゼ リゼルヴァ “チェレステ”
Franciacorta DOCG Pas Dosé Riserva “Celeste”
熟成期間: 最低 82か月
料理: 魚を使用したプリモピアットやパイ生地を使ったお料理に。
フランチャコルタ インポーター メローネについて
・メローネ3つの取り組み
・メローネについて(会社概要)
・ワインの品質管理ポリシー
この記事を書いた人
とくやま ゆきよし
メローネ 代表
(一社)日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
WSET Level 3 Certified
大手IT企業に17年在籍。データセンタSEとして、企業システムの移行プロジェクトに携わる。
フランチャコルタの美味しさと魅力に触れ、ワインインポーター メローネを起業。
ワインの国際輸送や保管の品質管理には、厳格な品質基準が求められる精密機器の輸送管理で得た知見を応用。現地の味わいそのままをモットーに、生きる喜びに満たされるワインをお届けしている。
飲食店・酒販店ワイン業務卸のご担当者様へ
ワインを取り扱っている飲食店様の小売、酒販店様のワイン卸売をしております。
最初の1杯は、お店の第一印象を決めることもある大切なアイテムです。
私たちの思いに共感頂ける、美味しいワインを一緒に広げて頂ける飲食店様・酒販店様をお待ちしています。